エステルの命名法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 03:02 UTC 版)
詳細は「IUPAC命名法」を参照 エステルは、元なるものとして想定されるアルコールと酸から命名される。酸は有機でも無機でもよい。基本的なカルボン酸から誘導されるエステルは慣用名で呼ばれることが多い。例えば「〜ホルマート」(ギ酸エステル)、「〜アセタート」(酢酸エステル)、「〜プロピオナート」(プロピオン酸エステル)、「〜ブチラート」(酪酸エステル)は、IUPAC体系名でいうと「〜メタノアート」(メタン酸エステル)、「〜エタノアート」(エタン酸エステル)、「〜プロパノアート」(プロパン酸エステル)、「〜ブタノアート」(ブタン酸エステル)である。IUPAC体系名は、塩 (えん)(塩基と酸からなる)と同様、元の酸の名前の末尾の-oic acidを-oateに変えることで陰性基(あるいは種類名)を命名し、元のアルコールのヒドロキシ基を抜いた基(アルキル)を陽性基として二元命名法で命名するものである。日本語では、陰性基が先に来る場合「〜酸」をそのまま用い、そうでなければ字訳にする。複雑なカルボン酸から誘導されるエステルは専ら体系名が用いられる。 有機エステルの化学式は慣例的に RCOOR'(RとR'はそれぞれカルボン酸とアルコール由来の炭化水素基)と記される。例えば、エタノールと酢酸から誘導される酢酸エチルは CH3COOCH2CH3 と記される。この他、炭化水素基の略号を用いて EtOAc と書かれたり、CH3CO2C2H5 と書かれたりすることもある。 環状エステルはラクトンと呼ばれる。有機酸、無機酸のどちらでも構わない。例えば、γ-ヒドロキシ酪酸が分子内脱水縮合して生成するγ-ブチロラクトンがある。
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