ティシチェンコ反応とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化学反応 > 反応 > ティシチェンコ反応の意味・解説 

ティシチェンコ反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 14:19 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ティシチェンコ反応 (Tishchenko reaction) は、有機化学における合成反応のひとつ。アルコキシドの触媒作用により、2分子のアルデヒド不均化して1分子のエステルを与える反応。1906年、V. ティシチェンコにより最初に報告された[1]

上式のように、ベンズアルデヒドを基質とすると安息香酸ベンジル[2]アセトアルデヒドからは酢酸エチルが得られる。触媒としては、アルミニウムアルコキシド、またはナトリウムアルコキシドが用いられる。

ホウ酸を触媒として、パラホルムアルデヒドからギ酸メチルを得る手法も知られる[3]

反応機構

ティシチェンコ反応の機構を示す。アルコキシドがアルデヒドのカルボニル炭素に求核付加し、生じたヘミアセタールのアルコキシドがもう1分子のアルデヒドに付加する。続くヒドリドの1,3-転位が生成物のエステルを与え、同時にアルコキシドを再生する。

同様に、塩基によりアルデヒドを不均化させる反応としてカニッツァーロ反応が知られる。カニッツァーロ反応では水酸化ナトリウムを触媒としてカルボン酸アルコールが生じる。

参考文献

  1. ^ Tishchenko, V. J. Russ. Phys. Chem. Soc. 1906, 38, 355, 482, 540, 547.
  2. ^ Kamm, O.; Kamm, W. F. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p.104; Vol. 2, p.5. オンライン版
  3. ^ Stapp, P. R. J. Org. Chem. 1973, 38, 1433-1434. DOI: 10.1021/jo00947a049




ティシチェンコ反応と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ティシチェンコ反応」の関連用語

ティシチェンコ反応のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ティシチェンコ反応のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのティシチェンコ反応 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS