エイヤフィヤトラヨークトル噴火との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 18:41 UTC 版)
「グリムスヴォトン」の記事における「エイヤフィヤトラヨークトル噴火との比較」の解説
エイヤフィヤトラヨークトルの噴火はヨーロッパの航空路を閉鎖に追い込み、数十億ユーロの影響を与えた。今回の噴火は更に大きかったが、これまでのところケプラヴィーク国際空港(アイスランド)が閉鎖されているのにとどまっている。飛行に対する影響における違いは、3つの要因(噴火によりできた灰、灰を吹き流す天候、灰に飛び込む飛行機に関する新規則)にある。 粒子の細かい火山灰は、大きなものよりも降下に時間がかかり、それだけ長い時間空中に留まるため、噴出された火山灰のうち細かいものがどの程度の割合であるかが重要である。その割合は溶岩の組成と、溶岩が水に接触したかどうか(たとえば氷河での噴火など)に大きく依存する。エイヤフィヤトラヨークトルでの噴火の場合、溶岩は粘性が高く、ガスを多く含んでおり多孔性であったため、生成された火山灰の90%以上が直径1mm未満の細かい粒子であった。一方、氷河の下から溶岩が噴出する場合、爆発を伴うことが多い。そして溶岩と水の接触がなくなったあとも爆発的な状態が継続することがある。グリムスヴォトンの場合、溶岩は爆発的に噴火することの少ない玄武岩だが、氷河が溶けた水との接触により爆発的になっており、溶岩塊が速やかに分裂することが少なく、つまり細かい粒子の火山灰の割合は低い。 エイヤフィヤトラヨークトルの噴火では北大西洋からの強い風が火山灰をヨーロッパ大陸へと運んだ。グリムスヴォトンの場合、爆発的噴火のあった2011年5月22日には風により大西洋北部に大量の火山灰が流された。翌日23日までに流された火山灰の量の計算値を図示したものが英国気象庁により発表されている。 エイヤフィヤトラヨークトル噴火の前には、航空機は火山灰をすべて避けるよう規定されていた。現在は火山灰の量によって飛行可能な区域が規制される。そのためより弊害の少ない、効率的な規制が行われるようになっている。
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