エイモン公の4人の子ら
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/24 23:54 UTC 版)
「ルノー・ド・モントーバン」の記事における「エイモン公の4人の子ら」の解説
物語は、ルノーの父、エイモン公とシャルルマーニュの対立から始まる。かつてシャルルマーニュに反逆したドーン・ド・マイヤンスの息子であるエイモン公は、一族に対する処遇への不満から、シャルルマーニュに反逆する。結局、エイモン公爵は敗れ、シャルルマーニュに降伏する。 うち、エイモン公爵にはルノーを含め4人の息子が生まれた。あるとき、ルノーは口論からシャルルマーニュの甥を殺してしまう。そのため、ルノー達はシャルルマーニュの宮廷から逃げ出すのであるが、これを許さないシャルルマーニュと対立してしまうことになる。途中、ルノーはスペイン王に仕えるなど紆余曲折の末、結局はシャルルマーニュ軍に敗北してしまうのであった。この長期間に渡る戦争の最中でもルノー達はシャルルマーニュがパラディン達の説得を受け入れ、この戦争をやめるまで、変わらぬ忠誠を誓っていたという。 4人の兄弟は、ルノーが十字軍としてパレスチナへ行くこと、バヤールという馬をシャルルマーニュに献上することにより罪を許される。このバヤールは魔法の力をもっており、4人の兄弟をまとめて背負うことができる大きさに変化するという、不思議な力を持っていた。シャルルマーニュはこの魔法の馬に重りを付けた上、川に投げ込むように命令した。しかし、馬は森へと逃げ込んで行くのだった。この後、十字軍の冒険を終えたルノーが帰還してくる。 結局、ルノーは家をすて、ケルンへ向かうことになる。ケルンでルノーは聖ペテロの聖堂を建設する仕事に付く。他人の数倍もの働きをするルノーだが、逆にルノーに腹を立てた怠惰な労働者達に殺害されてしまう。不思議なことに、ルノーの死体は川から浮かび、彼の兄弟達のもとへ向かい戻って行くのだった。 この物語において、シャルルマーニュは復讐心の強い悪役として描かれており、魔法使いのマラジジ(ルノーの従兄弟)に馬鹿にされるシーンも存在する。明らかに作者の同情心は4人の兄弟に向けられているが、最終的に封建的な権威が維持されている。
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