フランスの武勲詩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 17:57 UTC 版)
12世紀の古フランス語の武勲詩、『エイモン公の4人の子ら』において、バヤールはルノー・ド・モントーバン(リナルド)の愛馬として登場する。作中では、バヤールはエイモン公の息子・ルノーを始め、ルノーの3人の兄弟達を同時に全員背に乗せ、かつ常軌を逸した速度で走ることができる。物語後半、ルノーはシャルルマーニュへの降伏条件としてバヤールを献上させられてしまう。そして、シャルルマーニュはバヤールの首に大きな石で重りを付けて川に沈め、殺そうとする。だが、バヤールは重りの石を蹄で破壊すると、森の中へと逃げて行くのだった。 その後の武勲詩では、バヤールは始め、ルノーの愛馬となる前にルノーの従兄弟であるモージ(マラジジ)によって捕獲されたという設定が付けられていたりもする。 また、トマス・ブルフィンチの作品によれば、バヤールの入手方法はまた違ったものとなっている。そこでは、先にバヤールを得ていたモージが変装し、ルノーに対し魔法の森にいる野生馬、バヤールはアマデス・ド・ゴーラ(en:Amadis de Gaula)の血筋の者だけが乗りこなせる馬であることを告げる。ルノーは何度か落馬するものの、最終的には魔法を打ち破り、バヤールを乗りこなすのである。 また、ブルフィンチ版ではシャルルマーニュにより川に沈められたバヤールは、何度か這い上がってくるものの、最終的には溺死してしまっている。ドイツの民衆本でもこの結末は同じで、バヤールは殺されてしまっている。
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