ウェスリー・ムーチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/07 05:56 UTC 版)
「肩をすくめるアトラスの登場人物一覧」の記事における「ウェスリー・ムーチ」の解説
Wesley Mouch ハンク・リアーデンに雇われたロビイストから、国家経済の実質的な独裁者の地位まで上り詰める人物。 「長く角張った顔で、髪をなでつけているために頭の天辺の平らさが際立っていた。下唇はぽってりと膨れており、薄茶がかった瞳は完全に透明ではない卵の白身に覆われた黄身のようだ。顔の筋は出し抜けに動いては、何も伝えることなく元に戻った。笑顔を見たことのある者はいない」と描写されている。 何世代にもわたり大学卒の学歴に固執し、実業界の人間を軽蔑し、貧困とも富とも名声とも無縁だった一族の出身。少年時代、裕福な叔父ジュリアスから「誰よりも地味だから一番安全だろう」と思われて気に入られ、やがてジュリアス叔父の金(かね)の管理を任せられる。管理を任された金(かね)は、大学を卒業する頃にはなくなっていた(詐取したのではなく、どこに消えたのか本人もわからなかった)。高校時代の成績はとりわけ悪く、優秀な生徒を激しく妬んだ。 大学卒業後、偽の魚の目治療薬の製造会社の広告部に就職する。担当した偽の治療薬がよく売れ、部長に昇格する。その後転職し、育毛薬、新型のブラジャー、新しいタイプの石鹸、飲料などの広告を担当する。さらに自動車会社に転職し、広告部長兼副社長になる。自動車を偽の魚の目治療薬のように売ろうとして売れず、広告予算の不足のせいにする。この自動車会社の社長の推薦で、ハンク・リアーデンのロビイストとして雇われた。リアーデンは「機会均等化法案」の成立を阻止するため、ワシントンでのロビイストの活動の判断基準を知らないまま、ムーチを雇った。 リアーデンの競合オルレン・ボイルの依頼を受けたジェイムズ・タッガートから、ワシントンでのポストと引き換えにリアーデンを裏切る取引を持ち掛けられ、応じる。この裏取引により、リアーデンから資金を受け取りながら、裏で「機会均等化法案」の成立をあと押しし、経済企画国家資源局の局長補佐の地位を与えられる。経済企画国家資源局に就職後は、少年時代に叔父ジュリアスに引き立てられたのと同じ理由で(「凡庸ゆえに安全」と信じられて)人々に引き立てられ、調整官長(国家経済の実質的な独裁者)まで上り詰める。
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