ウィスコンシン大学-ネットギアNTP問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 09:29 UTC 版)
「Network Time Protocol」の記事における「ウィスコンシン大学-ネットギアNTP問題」の解説
ネットギア製のルーターがウィスコンシン大学のNTPサーバを参照するようハードコードされていたため、負荷が極度に集中した。以下に問題の経緯を記す。 2003年5月、ウィスコンシン大学に対して平均毎秒4万パケットのNTPサービスへの接続が行われた。 これに対し大学側はNTP用に公開していたポートを閉じ、悪意あるアクセスは数時間のうちに収まるであろうと考えていた。しかしながら1ヵ月後の2003年6月の時点において、大学側の予想に反するどころかさらに状況は悪化し平均毎秒25万パケットを記録。さらなる調査によって、多くの接続元が1秒毎に問い合わせを行っている事に不審を抱くこととなる。接続元となっている2つの大学に協力を要請。調査結果の中で双方ともにネットギア製のルーターを使用していた事が判明、型番もMR814であると特定された。 2003年6月16日、大学側はネットギア社のカスタマーサポート宛に電子メールにて状況の報告を行ったが返答がないため直接交渉を行い、2003年6月19日に、ネットギアから「開発者によるデバッグ時の設定値の残骸が引き起こしたもの」との説明が大学側に報告され、協力体制が整備された。 2003年8月の時点において、影響を受けた生産台数70万台から行われる最大毎秒70万パケットに及ぶリスクに対して、大学側はルーター使用者に影響がでないよう配慮し、ネットギアからはファームウェアのバージョンアップが提供された。これによりウィスコンシン大学の転送量の増加傾向は弱くなり、2003年11月からは減少傾向に転じることとなった。 なお、これらの事件の詳細は、2003年8月21日に、ウィスコンシン大学のDave Plonkaによりまとめられている。 他に、FreeBSDの有力開発者であるPoul-Henning Kamp(phk)が発見したD-link製ルータの問題や、ダブリンのTardis and Trinity Collegeの問題など、同様の問題が発生している。NTPサーバの誤用・不正使用問題(英語版)を参照のこと。
※この「ウィスコンシン大学-ネットギアNTP問題」の解説は、「Network Time Protocol」の解説の一部です。
「ウィスコンシン大学-ネットギアNTP問題」を含む「Network Time Protocol」の記事については、「Network Time Protocol」の概要を参照ください。
- ウィスコンシン大学-ネットギアNTP問題のページへのリンク