インバータの駆動音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:45 UTC 版)
「可変電圧可変周波数制御」の記事における「インバータの駆動音」の解説
VVVFインバータ制御車両最大の特徴ともいえる、発車時・停車時に発生する何度も高低が変化するような音(磁励音)は、パルスモードが変化しているために発生するものである。車両発進時には、「ピーー」というような音や「ビーー」や「キーーン」という音で起動するが、その後は自動車がトランスミッションで変速するときのエンジン音のような音がする。これらの音は主にモーターから発せられ、インバータ装置自体からも「ジーー」とモーター音に合わせてスイッチング音が聞こえる場合がある。 これらの音は多種多様であり、同じ製造企業・機種のインバータを搭載していても中のプログラムや設定が異なるとまったく違う音を立てる。GTOでは近鉄のGTO-VVVFインバータ車のほとんどが、また小田急1000形の一部や新京成8800形、JR東日本209系910番台、IGBTではJR西日本223系2000番台1次車の東芝製制御装置車や223系1000番台体質改善車、また近鉄50000系や22600系のようにプログラムの更新により音が以前と全く変わった車両も存在する。 GTO素子を使用したインバータでは発車時・停車時の音を耳障りと感じる人も多いが、IGBT素子では、スイッチング周波数を高くできるため、耳障りな音色を改善できるようになった。 なおシーメンス製のGTO素子を用いたインバータ制御装置(SIBAS32)を搭載した車両の一部では、音階のような音が主電動機とインバータ制御装置より発せられる。このことから、このタイプのインバータ制御装置を「ドレミファインバータ」、搭載した車両を「歌う電車」と呼ぶことがある。日本ではJR東日本E501系電車や京急2100形電車・新1000形電車、日本国外では韓国鉄道8200形電気機関車などが実例となっている。 .mw-parser-output .listenlist{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/47/Sound-icon.svg")no-repeat scroll 0 0 transparent;background-size:30px;background-position:top left;padding-left:40px;min-height:50px;margin:1em}.mw-parser-output .listenlist ul{list-style:none;margin:0}.mw-parser-output .listenlist ul li{padding-bottom:0.5em}.mw-parser-output .listenlist-filelink{padding:2px 0}.mw-parser-output .listenlist-file{padding-right:4px}.mw-parser-output .listenlist .description{padding:2px 0 0 0}JR東日本209系0番台 JR東日本209系0番台の発車・停止時の三菱製インバータの磁励音。 JR西日本223系0番台 JR西日本223系0番台の発車時の磁励音。JR西日本207系1000番台などにも使われている東芝製GTOの音 相鉄8000系 相鉄8000系の発車・停止時の磁励音。日立製作所製GTOの音 東急9000系 東急9000系の発車・停止時の磁励音。GTO-VVVF黎明期に近い86年の日立製インバータ音 東急2000系 東急2000系の発車・停止時の磁励音。改良された92年日立製インバータの音 東急5000系 東急5000系の発車・停止時の磁励音。日立製作所のIGBTの音(初期) 京急2100形 京急2100形の発車・停止時の磁励音。シーメンス製の独特なGTOの音 京急 新1000形 京急 新1000形(1・2次車)の発車・停止時の磁励音。同社の2100形とは若干異なる音 都営地下鉄5300形 都営地下鉄5300形の発車・停止時の三菱製インバータ磁励音。 JR西日本321系三菱・東洋インバータ車 JR西日本321系の発車・停止時の磁励音。三菱電機と東洋電機製造のものは共通設計。 うまく聞けない場合は、サウンド再生のヒントをご覧ください。
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