イラン・イスラム共和国の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 14:23 UTC 版)
「イスラム共和制」の記事における「イラン・イスラム共和国の場合」の解説
イランでは、クルアーン(コーラン)の教えなどから人間の心身に悪影響を与えるとして、ポルノとアルコール類を禁止している。 また、イスラム教では男尊女卑を教えている部分と、男女平等を教えている部分がある。現在のイランでは女性の能力は大変重要なものと考えられており、学術分野で労働する女性は数多く、公務員や兵隊として労働に従事する人々もいる。女性の大学への進学率は非常に高く、2006年に大学の入学者数を男女同率にする入学制限が適用されたが、女子学生の増大が原因と考えられる。しかし、同時に女性に対する性的抑圧や服装制限がある。なお、2013年8月、イラン外務省報道官に女性のマルズィーイェ・アフハームが就任したほか、閣内に複数いる副大統領にエルハーム・アミーンザーデとマアスーメ・エブテカールといった女性を任命するケースもある。 問題点としては、クルアーンでは「ムスリムに、非ムスリムに対しても寛容に接するべき」と教えているが、それはムスリム優位の支配体制の下での、二等市民としての寛容に過ぎない。一部の差別は法制化された義務となっており、例えばキリスト教徒・ユダヤ教徒・ゾロアスター教徒には大統領・国会議員の立候補資格が原則認められておらず(ただし国会には少数宗教信者への割り当て議席がごく少数存在する)、イスラーム法に基づく非ムスリムや性的少数者(同性愛者などのLGBT)への差別がある。バハーイー教徒、イスラム教の棄教者、無神論者などは国内での生活自体が認められておらず、発覚・逮捕されて体制側に改宗や帰教を促されたのちも自分の信念を捨てなかった場合、死刑となる可能性がある(特に男性の棄教は原則死刑である)。同性愛者などの性的少数者の権利(参照: 英語版)は認められていない。
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