イスラム教徒と政府の和平工程とバンサモロ自治地域への移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 23:49 UTC 版)
「イスラム教徒ミンダナオ自治地域」の記事における「イスラム教徒と政府の和平工程とバンサモロ自治地域への移行」の解説
一方、フィデル・ラモス大統領のフィリピン政府と、ヌル・ミスアリ率いるモロ民族解放戦線(MNLF)の間では、1997年7月に和平協定が成立し、和平工程が開始された。和平に反対するモロ・イスラム解放戦線(MILF)の勢力の増大、2000年のジョセフ・エストラーダ大統領による和平協定破棄、フィリピン国軍とMILFの武力衝突など、和平に逆行する動きが続いたものの、ベニグノ・アキノ3世大統領の下でMILFとの対話が進み、2012年10月15日にはフィリピン政府とMILFの間で「バンサモロ枠組み合意(英語版)」が調印され、「失敗した実験」であるARMMに代わり、「バンサモロ自治地域」(Bangsamoro Autonomous Region in Muslim Mindanao, 略称 BARMM )が設立されることが決まった。2014年3月27日には、アキノ大統領とMILFのムラド議長の間で、「バンサモロ包括合意」が調印され、バンサモロの法的地位を定める「バンサモロ基本法」(Bangsamoro Basic Law)の制定を目指すこととなった。 その後もMILFと国軍の衝突、基本法の審議の中断などが続いたが、2018年7月26日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が「バンサモロ基本法」(バンサモロ組織法、Bangsamoro Organic Law)に調印、2019年1月21日にARMM住民に対してバンサモロ基本法の成立を問う住民投票が行われ、同時にイサベラ市とコタバト市では新自治地域への編入を問う住民投票が行われた。2月6日にはコタバト州の一部とラナオ・デル・ノルテ州の一部のバランガイで新自治地域への編入を問う住民投票も実施された。投票の結果、バンサモロ自治地域を成立させるバンサモロ基本法は批准され、同時にコタバト州の西部の町村に属する63のバランガイがコタバト州に属したままバンサモロ自治地域に編入されることが決まった。2月22日にはバンサモロ暫定自治政府が発足、2月26日にイスラム教徒ミンダナオ自治地域はバンサモロ自治地域へと移行した。
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