イスラム教国の一部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 22:11 UTC 版)
イスラム教の支配力の強い一部の国でも、公開処刑が行われている。斬首刑のほか、石打ち刑のような、見物人が執行に直接加わる形の処刑もある。 サウジアラビアでは死刑執行は現代でも公開処刑で行われている。1980年1月9日に行われたアル=ハラム・モスク占拠事件の主犯ジュハイマーン・アル=ウタイビーらの斬首刑はサウジ全土にテレビ中継されている。このような公開処刑の映像が海外に流出して問題視されたことから現在では公開処刑の撮影は禁止されている。また処刑場所はモスクの敷地であるため処刑場所に異教徒(外国人)が立ち入ることは禁止されている。小型撮影機材の発達した現在では観客による隠し撮りが横行しており、頻繁にネット上に映像が流出している。 エジプトでは例外的な措置として、1998年に女性と子ども2人を殺害した男3人の死刑執行を国営テレビが中継した。こうした事例を踏まえ、2022年にエジプトの裁判所は続発するフェミサイドの抑止のため、死刑囚の死刑執行を生中継できるよう法改正を求めている。 イスラム法には「信者を処刑に立ち会わせなさい」とする記述があり、これが公開処刑を行う法的根拠となっている。また処刑への立会いは被害者遺族の権利であると考えられているため、公開しないことが違法行為であると考えられる場合もある。このような事情から、見せしめという意味よりも「イスラム教徒の処刑に立ち会う権利」を重視している結果である。
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