イエスの兄弟ヤコブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 05:52 UTC 版)
「史的イエスの資料」の記事における「イエスの兄弟ヤコブ」の解説
ヨセフスによるヤコブ(ヤコボス)に関する一節は歴史的人物としてのイエスの実在と、イエスの同時代人の何人かがイエスをメシア(ギリシア語では「キリスト」)と見なしたことを証明している。問題の箇所は次の通り。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}そして彼はクリストス(キリスト)と呼ばれたイエスス(イエス)の兄弟ヤコボス(ヤコブ)とその他の人びとをそこへ引き出し、彼らを律法を犯したかどで訴え、石打ちの刑にされるべきであるとして引き渡した。 —フラウィウス・ヨセフス『ユダヤ古代誌』XX, 200 この第20巻にある大祭司小アンナス(英語版)(アナノス)のヤコブ処刑に関する一節ではイエスへの言及がなくても文章として自然に読めるので、これはキリスト教徒が挿入改竄したのではないかという疑問がある。しかしルイス・フェルドマン(英語版)が、この箇所は他の箇所よりもヨセフスがイエスについて確かに言及していることを示していると述べているように、現代の学問ではこの箇所はキリスト教徒による挿入・改竄ではないことがほぼ一般的に認められていて、ヨセフスによるキリスト教に関する言及中もっとも信憑性が高いと考えられている。 なお『新約聖書』の記述と、ヤコブの死に関するヨセフスの言及の間には多くの相違点がある。学者たちは一般に、これらの相違をヨセフスの一節についてはキリスト教徒による改竄がないことを示していると考えている。なぜならキリスト教徒が改竄したならばキリスト教の伝承に沿うように改竄する可能性が高いからである。ロバート・アイゼンマン(英語版)は、ヤコブがイエスの兄弟であるというヨセフスの言及を裏付ける初期キリスト教の史料を数多く提供している。
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