アメリカ合衆国のラテン・スクール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 01:26 UTC 版)
「ラテン語学校」の記事における「アメリカ合衆国のラテン・スクール」の解説
植民地時代の17世紀以来、現在のアメリカ合衆国にも、もっぱらラテン語による教育を行なうラテン語学校が存在した。しかし、19世紀になると、近代的な教育体系をもった高等学校の制度化が進み、グラマースクール、ラテンスクールなどの形態は後退していった。 しかし、例えばマサチューセッツ州ボストンにおいては、1827年に制定された州教育法の下の公立学校制度においても、初等教育段階で Primary School と並んで Grammar School が、中等教育段階でも English High School、Girls' High and Normal School と並んで Latin School が制度上位置づけられていた。ラテン・スクールの名称は、大学進学を前提としたエリートのための中等学校であることを意味していたが、ラテン・スクールにおける教授内容も19世紀後半になると、ドイツのギムナジウムの影響もあって、古典語教育を残しながらも近代化していった。 ラテン語学校からギムナジウム的なカリキュラムへ移行していく中で、古典語教育を残していても、校名に「ラテン・スクール」がない学校もいろいろ登場してきた。その中には「ハイスクール」が既存の「ラテン・スクール」を吸収する例や、「アカデミー」と称する私立学校もあった。 結果的に、本来のラテン語学校ではなくなっても「ラテン・スクール」の名が残った学校は歴史のある有力校であり、ボストンの場合これに相当するボストン・ラテン・スクールは、1635年に創立され、伝統的にハーバード大学との結びつきが強い特権的なエリート校である。同様の例としては、やはりマサチューセッツ州にある1645年創立のロクスベリー・ラテン・スクール(Roxbury Latin School)が挙げられる。 ただし、19世紀以降に創設された比較的新しい学校が「ラテン・スクール」を名乗る場合もある。例えば、ラテン・スクール・オブ・シカゴ(Latin School of Chicago)は1888年、ブルックリン・ラテン・スクール(Brooklyn Latin School)は2006年の設立である。
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