アメリカ合衆国のプロレタリア文学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:11 UTC 版)
「プロレタリア文学」の記事における「アメリカ合衆国のプロレタリア文学」の解説
アメリカ合衆国でも大恐慌を背景に1930年代に社会意識の強いプロレタリア小説が多く書かれたが、これらは次の時代にはあまり顧みられなくなっていった。しかし、マイケル・ゴールドの『金のないユダヤ人』(1930年)、ジャック・コンロイの『文無しラリー』(1933年)、ジェイムズ・T・ファレルの『スタッズ・ロニガン』3部作(1932-35年)など後世に読み継がれた作品もある。 またジョン・スタインベックの1930年代の作品は自然主義的と評されているが、同時代の作品の中でも『怒りの葡萄』はプロレタリア文学として位置づけられることがある。ただこの『怒りの葡萄』は商業主義の実態というプロレタリア文学の性格だけでなく、オクラホマの農民がカリフォルニアへ移住を目指す姿を旧約聖書の『出エジプト記』に重ねることで神話的要素を加味した叙事詩として構成されている点に特徴がある。
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