アメリカの核戦略における役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 22:10 UTC 版)
「ポラリス (ミサイル)」の記事における「アメリカの核戦略における役割」の解説
ポラリスA1は、ヨーロッパ全土に展開された限られた数量の中距離核戦力を補完するために開発された。ヨーロッパに展開された核戦力は、ソ連の重要な目標を攻撃するだけの射程を欠いていたため、ポラリスの開発により核抑止の水準を強化しようとしたのである。この頃ミサイル・システムを破壊できるだけの精度を持つシステムはほとんど存在しなかったため、報復攻撃の脅威はほとんど無かった。弾道ミサイル潜水艦の主要な利点は潜入したままミサイルを発射できることであって、(前任のレギュラスと同じく)射程の短いシステムを重要な目標を攻撃できる範囲に移動させつつ潜水艦の生存性をより高めることができた。 アメリカ海軍は大西洋岸を基地とするポラリス潜水艦を哨戒区域により近いイギリスとスペインに前方配置し、両国はスコットランドのホーリー・ロッホ、およびカディス湾のロタの基地の使用を認め、これによりアメリカ東海岸の基地からの移動時間を省くことができた。この前方配置はポセイドン・ミサイルがとって代わるまで続けられた。ポラリスは硬化目標を破壊できるほど充分な精度が無かったが、当局はポラリスを、それぞれ固有の機能を備える「核の三本柱」のひとつと見なしていた。周辺での防衛に「出かける」というポラリスに割り当てられた任務は、ポラリスの特性と制約によく見合ったものであった。
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