アメリオの時代(1991-96年)
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「ナショナル セミコンダクター」の記事における「アメリオの時代(1991-96年)」の解説
1991年5月27日、スポークの後任としてギル・アメリオがCEO兼社長に就任した。アメリオはロックウェル・インターナショナルの半導体部門のトップを勤めた人物で、ジョージア工科大学で物理学の博士号を取得している。また、かつてフェアチャイルドに勤めていたことがある。 アメリオが引き継いだのは、過剰設備とシェア縮小に悩む会社だった。そして、最近5年間で10億ドルを研究開発に費やしたにも関わらず、新製品の多くが期待はずれの結果に終わっていることに気づいた。1991年1月11日付けのニューヨーク・タイムズ紙のビジネス面には、アメリオが引き継ぐことになるスポークによる過剰な設備投資を非難する記事が掲載されている。 アメリオは、NSが得意としない製品とそれらに関連する資産を切り離し、アナログ半導体という中核事業に集中する戦略を採用した。それによって販売コストの低減、生産設備の利用効率の向上、廃棄製品とサイクルタイムの縮小を実現している。冗長な設備は売却された。 リストラクチャリングの進展により、NSは毎年利益が伸びるようになった。1994年には22億9000万ドルという最高売り上げを記録した。またこのころは、アメリカの半導体企業が市場のリーダーシップを取り戻した時代でもあった。アメリオは生産性を評価するためのベンチマーキングを行い、販売戦略を見直し、現代的管理手法と職場環境を導入して経営を刷新した。 アメリオは製品群を2部門に振り分けた。Standard Products グループは利益率の低い、ロジックICやメモリチップを扱う。これらは周期的に需要が変動しやすい。Communications & Computing グループは利益率の高い、高付加価値のアナログチップや混合信号チップを扱う。つまり、この分割は利益率の低い製品を扱う部門を将来的に分離して捨てることを想定したもので、後にフェアチャイルドの分離売却で結実することとなる。 スプラーグが会長を退任したため、1995年、アメリオが会長に選出された。 1996年、アップルから招かれ、アメリオはアップルの取締役に就任。その後アップル社内のごたごたの結果、1996年2月にはアメリオがアップルCEOに就任することになった。1996年2月2日、アメリオはNSの会長、社長、CEOの職を辞任することとなった。
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