アスワン・ロウ・ダムの沿革
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アスワン・ロウ・ダムは1898年に建設が始まり、1902年に一応の完成を見た。そして、1902年12月10日に運用が開始された。このダムは世界最大の石造のダムとして建設計画が進み、1902年当時においては世界最大の石造のダムであった。ダム建設の目的は、例年発生するナイル川の洪水を防止することと、ナイル川の流量が少なくなる乾季にも周辺地域の灌漑を行いやすくするためであった。1902年に完成後も、2回のわたって堤が嵩上げされており、その工事は1907年から1912年にかけてと、1929年から1933年にかけて行われた。また、2回目に行われた工事の際には、水力発電機を設置する改良も行われた。しかしながら、堤の高さに関して、砂漠気候であるエジプトでの耕地は国土面積と比較して狭く、さらに灌漑する区域を広げようとしても、この嵩上げでは足りなかった。そればかりか、1946年にはナイル川の増水に対処し切れず、貯水量が限界を突破した。そのようなこともあり、ナイル川に新たなダムを作ることが構想された。そうして調査が始められて、アスワン・ロウ・ダムの約6 km上流に、1960年に建設が始められ、1970年に完成したのがアスワン・ハイ・ダムである。なお、アスワン・ロウ・ダムに蓄えられた水を利用した水力発電の機能も拡充され、1960年には、アスワン・ロウ・ダムの西側にアスワンダム第1水力発電所が完成した。さらに1985年から1986年にかけて、アスワン・ロウ・ダムの堤にアスワンダム第2水力発電所が作られた。
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