アストンマーチンV8とは? わかりやすく解説

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アストンマーチン・V8

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/22 01:11 UTC 版)

アストンマーチン・V8
V8 ヴァンテージ (1982)
V8 ヴァンテージ ヴォランテ (1986)
前身となったDBS V8(手前)
ボディタイプ 2ドア クーペ
2ドア コンバーチブル
エンジン 5,340cc 水冷90°V型8気筒DOHC
変速機 クライスラー製トークフライト3段自動変速(トルクコンバーター)またはZF製フルシンクロ5段手動変速
駆動方式 FR
全長 4590mm
全幅 1830mm
全高 1330mm
ホイールベース 2605mm
車両重量 1800kg
先代 DBS V8
後継 ヴィラージュ
-自動車のスペック表-

V8は、アストンマーチン・ラゴンダが1972年4月-1989年10月に製造したスポーツカーであり、Sr.1-Sr.5までのモデルが存在する。主任技師マレックがアストンマーチン引退間際に全力をあげて設計したDBS V8の発展型モデル。

前モデルの「DBS V8」と一目見て異なるのは、ヘッドライト部分を含めたノーズ部分のデザインである。

1971年にアストンマーチンの経営権がデビッド・ブラウンからカンパニー・ディベロップメンツに代わったことからV型8気筒エンジンにはDBシリーズの名は冠せられていないが、基本設計は旧DBシリーズの直系にあたる。

英国スポーツカー伝統のシューティングブレークも存在し、1977年からは高性能モデルの「V8ヴァンテージ」も生産された。

なお、007シリーズにおいては1987年公開の『007 リビング・デイライツ』にヴァンテージ・ヴォランテとサルーン(いずれも黒)が登場している。

機構・スタイル

エンジンは、その名の通り5,340ccの水冷90°V型8気筒エンジンを搭載。V8エンジンにDOHCという当時としてはかなり贅沢な設計で、最高回転6,250rpmという高回転型エンジンに仕上げられている。初期型はボッシュ製のフューェルインジェクション、後期型はダウンドラフトツインチョークウェーバーキャブレター4基で燃料を供給。当時のアストンマーチン・ラゴンダは、ロールス・ロイスと同じくエンジン出力を公表しない主義を取っていたため正式な出力は不明だが0-400mを14.3秒で走り1,800kgの巨体を最高258km/hまで引っ張るところから280 - 340英馬力と推測されている。高性能モデルV8ヴァンテージの最終型が搭載する580Xエンジンは430英馬力を出すとも言われている。

当時最高級のパワーステアリングが搭載されており、変速機はクライスラー製トークフライト3速ATと、ZF製5速フルシンクロMTが同じ価格で用意されていた。現代車に比べればペダルはかなり重いが、ガーリング製4ポット・キャリパーとベンチレーテッドディスクロッキードAP製のバキュームサーボでアシストしたブレーキは耐フェード性も高く、信頼性の高い制動力を持っていた。

内装は子牛5頭分のコノリーレザーによる。パネルにはスミス製の6つのメーターとルーカス製のアンペアメーター(Sr.4からはボルトメーター)計7連がW型に配置されている。Sr.3までは結晶塗装のパネルにメッキリングのメーターが輝き、Sr.4からはメッキリングが廃止され、代わりに風合いのあるウッド製のパネルとなる。

スーパーレジェッラ工法による、細い鋼管にアルミパネルを手作業で溶接したボディは、22層もの塗装が施されている。大きなV8エンジンを収めたロングノーズと、古いイタリア車風のバックラインを持つが、ボディは大きめ。

関連項目

外部リンク


アストンマーチン・ラゴンダ ロードカータイムライン 1948-<- 戦前モデル  
タイプ '40 1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
グラントゥーリズモ DB1 DB2 DB2/4 DB MkIII DBS
/ヴァンテージ
DB7 i6 DB7
ヴァンテージ
ヴァンテージ
DB4
/DB4GT
DB5 DB6 V8 ヴィラージュ/V8 DB9
ヴィラージュ
V8ヴァンテージ V8ヴァンテージ V12ヴァンキッシュ DBS V12 ヴァンキッシュ
スーパーカー DB4GT
ザガート
V8
ザガート
DB7
ザガート
AR1 One-77
セダン 2.6-Litre 3-Litre ラピード ラゴンダ ラピード
小型車 シグネット
オーナー David Brown Limited William Willson| Sprague & Minden Pace Petro
-leum & Gaunt
-lett
Gauntlett & Livanos Gauntlett, Livanos & Ford フォード Richards, Sinders, Dar, Adeem
レーシングカー: DP212DP214DP215・B08-60
コンセプトカー: AMV8
人物: ライオネル・マーチン, ロバート・バンフォード(創業者)・デイビッド・ブラウン
公式WEBサイト: Aston Martin

アストンマーティン・V8

(アストンマーチンV8 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 18:06 UTC 版)

アストンマーティン・V8
V8 ヴァンテージ (1982)
V8 ヴァンテージ ヴォランテ (1986)
前身となったDBS V8(手前)
ボディ
ボディタイプ 2ドア クーペ
2ドア コンバーチブル
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 5,340cc[1][2]水冷90V型8気筒DOHC
変速機 クライスラー製トークフライト3段AT[1][2]またはZF製フルシンクロ5MT[1][2]
車両寸法
ホイールベース 2,605 mm
全長 4,590 mm
全幅 1,830 mm
全高 1,330 mm
車両重量 1,800 kg
その他
系譜
先代 DBS V8
後継 ヴィラージュ
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V8は、アストンマーティン・ラゴンダが1972年4月から1989年10月に製造したスポーツカーであり、Sr.1-Sr.5までのモデルが存在する。主任技師マレックがアストンマーティン引退間際に全力をあげて設計したDBS V8の発展型モデル。

前モデルの「DBS V8」とは、ヘッドライト部分を含めたノーズ部分のデザインが大きく異なる。

1971年にアストンマーティンの経営権がデヴィッド・ブラウンからカンパニー・ディベロップメンツに代わったことからV型8気筒エンジンにはDBシリーズの名は冠せられていないが、基本設計は旧DBシリーズの直系にあたる。

英国スポーツカー伝統のシューティングブレークも存在し、1977年からは高性能モデルのV8ヴァンテージも生産された。このV8ヴァンテージは、0~60mph(約96km/h)加速でフェラーリ・デイトナを凌駕し、170mph(約274km/h)に達する最高速度で、「英国初のスーパーカー」と称賛された。

007シリーズにおいては1987年公開の『007/リビング・デイライツ』にヴァンテージ・ヴォランテとサルーンが、2021年公開の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にヴァンテージ・サルーンが登場している。また、本編ではないが2015年公開の『007 スペクター』公開を記念したジレットのCMにおいて銀色のサルーンが登場している。

007シリーズ以外ではレッドのヴァンテージが、ローワン・アトキンソン主演のスパイコメディアクション映画ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』(2018年)に、イギリスの諜報機関MI7から主人公に支給された車として登場する。

概要

エンジン

エンジンは、その名の通り5,340cc[1]の水冷90V型8気筒エンジンを搭載。V型8気筒エンジンにDOHCという当時としてはかなり贅沢な設計で、最高回転6,250rpmという高回転型エンジンに仕上げられている。

初期型はボッシュ製の機械式燃料噴射装置[1]であったが、排気ガス規制対応のため後期型[2]はダウンドラフトツインチョークウェーバーキャブレター4基[1][2]に変更されている。

305hp/5,200rpm[1][2]。0-400mは14.3秒、最高速度270km/h[1]。高性能モデルV8ヴァンテージの最終型が搭載する580X型エンジンは430hpを出すとも言われている。

シャシ

スーパーレジェッラ工法[1]による、細い鋼管にアルミパネルを手作業で溶接したボディは、22層もの塗装が施されている。大きなV型8気筒エンジンを収めたロングノーズと、古いイタリア車風のバックラインを持つが、ボディは大きめ。車両重量1,800kg。

トランスミッション

クライスラー製トークフライト3速AT[1]と、ZF製5速フルシンクロMT[1]が同じ価格で用意されていた。

足回り

当時最高級のパワーステアリングが搭載されており、現代車に比べればペダルはかなり重いが、ガーリング製[1]4ポット・キャリパーとベンチレーテッドディスクブレーキ[1]ロッキードAP製のバキュームサーボでアシストしたブレーキは耐フェード性も高く、信頼性の高い制動力を持っていた。

内装

子牛5頭分のコノリーレザーによる。パネルにはスミス製の6つのメーターとルーカス製のアンペアメーター(Sr.4からはボルトメーター)計7連がW型に配置されている。Sr.3までは結晶塗装のパネルにメッキリングのメーターが輝き、Sr.4からはメッキリングが廃止され、代わりに風合いのあるウッド製のパネルとなった。エア・コンディショナーも装備されていた。

関連項目

外部リンク

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 『外国車ガイドブック’75』p.122。
  2. ^ a b c d e f 『外国車ガイドブック’76』p.116。

参考文献






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