アイノコの建造法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 07:15 UTC 版)
アイノコは板材を接ぎ合わせた木造船であるが、考案者である海老原は船舶の寿命を考え、部材の接合に船釘と併用して木製のくさび(奄美ではビバと呼ばれる。X型の小さな木片である)を用いた。ビバの材はイヌマキが最上とされた。一艘のアイノコを全てビバで造る場合は120個前後のビバが必要とされる。ちなみに,沖縄県の「サバニ」は,ビバ(沖縄県ではフンドゥとも言う)と竹釘のみで部材を接合し,錆により船体の耐久性を低下させる船釘は一切使用しない。そのため,手間がかかり,高価なものとなった。 アイノコの塗装はオイルフィニッシュである。具体的にはサメの肝臓を貯蔵して腐敗させたものを煮立てて脂肪分を抽出し、アイノコの船材に染みこませるという方法を用いる。サメの肝油を使う前はラード、その前は菜種油を用いたとも言われる。サメの肝油を用いた、オイルフィニッシュの手法を奄美群島に伝えたのは糸満の漁師であるとされる。なお、アイノコの原形の一つであるイタツケには,このような塗装は用いられない場合が多い。 アイノコは木造船である為、定期的な舟焼き(船底に付着した生物を焼いて除去する作業)が必要となる。また、年に1回程度はサメの肝油を塗り直す作業も推奨される。
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