アイヌへの種痘による免疫付与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:42 UTC 版)
「天然痘」の記事における「アイヌへの種痘による免疫付与」の解説
北海道には江戸時代、本州からの船乗りや商人たちの往来にともない、肺結核、梅毒などとともに伝播した。伝染病に対する抵抗力の無かったアイヌは次々にこれらの病に感染したが、そのなかでも特に恐れられたのが天然痘だった。アイヌは、水玉模様の着物を着た疱瘡神「パヨカカムイ(パコロカムイ)」が村々を廻ることにより天然痘が振りまかれると信じ、患者の発生が伝えられるや、村の入り口に臭いの強いギョウジャニンニクやとげのあるタラノキの枝を魔除けとしてかかげて病魔の退散を願った。そして自身は顔に煤を塗って変装し、数里も離れた神聖とされる山に逃げ込んで感染の終息を待ち続けた。江戸期を通じて天然痘の流行が繰り返され、アイヌ人口が減少する一因となった。ミントゥチはこれらに関連する伝承とされる。幕末の1857年にアイヌを対象に大規模な種痘を行い、免疫を獲得させたため、流行にようやく歯止めがかかった(後述)。
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