おこがましい
「おこがましい」とは、「出しゃばったまねをする・身の程知らずなことをする・差し出がましい・分不相応で生意気だ」などの意味で用いられる表現である。わかりやすく言うと、偉い人の発言に口出しするような振る舞いを指す表現である。
「おこがましい」は、漢字では、「烏滸がましい」と表記する。古語「をこがまし」に由来する語である。英語では presumptuous(僭越・無遠慮)が「おこがましい」のニュアンスに近い。
おこがましいの使い方・例文
「おこがましい」の使い方としては、ビジネスシーンにおいて、目上の人に意見具申するような場合に、その「口を挟む」という行為が出しゃばった行為であると前置きする(謙遜の意味を込めた)ような言い方が挙げられる。具体的な言い回しとしては、「一介の平社員に過ぎない私が会社の経営方針に口出しするのもおこがましいのですが」といったような言い方があり得る。これに続く内容は異見・異論・疑義あるいは反論などが想定される。おこがましいの漢字と語源
「おこがましい」はもともと古語で「をこ(なり)」「をこがまし」のような形で用いられてきた表現である。「をこ」は漢字では「烏滸」や「痴」と表記されることがある。そこで「おこがましい」を漢字で書く時は「烏滸がましい」または「痴がましい」という表記が用いられる。いずれにしても「馬鹿げている」「馬鹿馬鹿しい」「みっともない」といった(笑いものになるような)意味合いがある。おこがましいの類語
「おこがましい」と使用場面が共通する表現に「あつかましい」「差し出がましい」がある。いずれも「出過ぎたまね」を指すという点では共通する。「おこがましい」は「分不相応」「身の程知らず」という意味合いが中心であるが、「あつかましい」は「厚顔無恥」「いけずうずうしい」という無思慮・無遠慮の意味合いを中心とし、「差し出がましい」の場合は「必要上のおせっかい」といった意味合いが中心となる。おこがましい、差し出がましい、厚かましい、の使い分け
いずれの表現も、ビジネスにおいて「おこがましいようですが」「差し出がましいようですが」「厚かましいお願いですが」という具合に謙遜表現として用いられる。ただし「おこがましい」の場合は自分が意見や主張する立場ではないという風に、立場や身分の違いに対する謙遜の意味合いが強いのの対し、「差し出がましいようですが」と言う場合は、どちらかというと意見や主張の内容が相手にとって「おせっかいかもしれない」「特に不要なものかもしれない」といった懸念に由来する謙遜の意味合いが強く、逆に「厚かましいお願いですが」などと切り出す場合は、相手に自分の主張を理解したり承諾してもらうことを目的とした交渉文句の一部として使われた謙遜表現になっている、という使われ方の違いがあり、注意が必要である。
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