わいせつ物へのモザイク処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 00:01 UTC 版)
「表現の自主規制」の記事における「わいせつ物へのモザイク処理」の解説
日本ではわいせつ物頒布等の罪(刑法175条)により「わいせつ」な文章・図画(主に写真)・電磁的記録(主にビデオや画像データ)の頒布や陳列は(有償・無償を問わず)禁止されている。この「わいせつ」の概念は固定されておらず、チャタレー事件や四畳半襖の下張事件といった過去の判例を元にその時代の社会通念に照らして(最終的には裁判所により)判断されるものとなっている。このため、アダルトビデオ・成人向け漫画・アダルトゲームといった成人向けのコンテンツは「わいせつ」と判断されないように倫理審査団体(日本コンテンツ審査センターやコンピュータソフトウェア倫理機構など)がモザイク処理をかける「自主規制」を行っているが、当記事の他の「自主規制」と異なり、従わない場合は法令違反を問われる可能性がある。 チャタレー事件の原因となった文学作品のチャタレイ夫人の恋人が後年になり完全版が発行されたり、わいせつ物として禁止されていたヘアヌードが解禁されるなど時代によって「わいせつ」の概念に変化はあるものの、過去から2020年現在に至るまで無修正(もしくはそれに近い)の性器を表現する事は(学術・医学目的を除き)違法とされており、修正が無い、あるいは不完全(薄い)といった理由で逮捕される事件は数多く発生している。このため、他の「自主規制」とは性質が違う点に注意する必要がある。 なお、この規制は児童ポルノ法や青少年保護育成条例における「絵」に対する表現規制と混同される場合があるが、直接的な関係はない。現時点では規制されておらず法規制するか否かが議論されている準児童ポルノ(絵を児童ポルノと見なしたもの)などと異なり、刑法175条は既に運用されており、議論は有るにせよ2020年現在は過去複数の最高裁の判例により合憲とされている。この刑法175条については、現状にそぐわない不合理な規制であるから廃止すべきといった批判もあり、参議院議員の山田太郎が刑法175条の見直しを政策課題として掲げている。
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