さらに大規模な破壊活動への対処
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 13:46 UTC 版)
「帝国クライス」の記事における「さらに大規模な破壊活動への対処」の解説
5つのクライスでも対処が困難なほど大規模な破壊活動の場合、5つのクライスの長官・補佐官は、帝国大書記長マインツ大司教(選帝侯でもある)に文書で連絡する。マインツ大司教は、全選帝侯およびオーストリア大公、ヴュルツブルク司教、ミュンスター司教、バイエルン大公、ユーリヒ大公、ヘッセン方伯、ヴァインガルテン・オックハウゼン修道院長、フュステンベルク伯、ニュルンベルク市、ケルン市をフランクフルトに招集する(帝国代表者会議)。さらにマインツ大司教は、5つのクライスの長官・補佐官の報告および招集した会議について皇帝(不在の場合はローマ王)に報告する。 招集を受けた上記の帝国等族は本人または全権委任者を、皇帝は委任官を会議に派遣し、対応を協議する(65条)。会議に参加した帝国等族(またはその代理)は会議結果を具申としてとりまとめ皇帝の委任官と意見調整する。他の5つのクライスに援助を要請することが決した場合、要請を受けたクライスはただちにそれに応じる義務がある(66条)。援助要請が、5つ以上だが全クライスにまで及ばなかった場合は、出費の半分を帝国クライス全体で負担する(92条)。会議で全10クライスの兵力でも対応ができないと結論された場合、この事態を皇帝およびローマ王に報告する。皇帝およびローマ王は選帝侯の同意を得た上で帝国議会を直ちに招集する(67条)。 この部分は、フランクフルト草案から帝国執行令で大きく変更された場合で、大規模な破壊活動に対する対処では、選帝侯であるマインツ大司教に対策会議の招集権があること、皇帝は委任官を送ることしか権限を持たず、帝国議会の開催も選帝侯の同意が必要であることなど、選帝侯の権限の大きさに対して皇帝のそれがきわめて小さく抑えられている点が特徴である。
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