顎関節円板ともよばれます。顎関節に存在する、関節のくぼみと、くぼみに入り込んでいる突起の間にある、骨より軟らかい組織のことで、骨ではなく線維組織がぎっしりとまとまったものです。歯科医師の説明では、「軟骨みたいなもの」と表現されることも多いですが、軟骨ではありません。神経や血管はほとんどありません。関節円板は下顎頭という、下顎の骨の一部の外側と内側に強く連結しています。しかし、前後には緩く容易にずれてしまうことがあります。よって、顎関節症のIII型といわれる、円板の前方転位という病態になってしまいます。顎関節症の多くは、この円板の位置異常によっておこるため、きわめて重要な組織だといえます。また、その役割は顎関節の緩衝作用と考えられていますが、詳しくはわかっていません。