下橈尺関節の関節円板
学名:Discus articularis
【英】:Articular disc of distal radio-ulnar joint
下橈尺関節は車軸関節で、その関節腔の下壁は橈骨の尺骨切痕の下端から尺骨の茎状突起に向かって突出して両骨を結ぶ三角形の関節円板(その形から三角靱帯ともいう。)であり、これによって橈骨手根関節腔と隔てられる。
肩鎖靱帯の関節円板
学名:Discus articularis
【英】:Articular disc of acromioclavicular joint
肩鎖関節の関節面の大きさなどに個人差が著しい。しばしば関節円板があるが、多くは部位による厚みが平等でなく、あるいは不完全で関節腔を完全には2分しない。
胸鎖関節の関節円板
学名:Discus articularis
【英】:Articular disc of sternoclavicular joint
関節円板は、下方は胸骨と第1肋軟骨につき、上方では鎖骨に付着する。関節円板を備えた状態では、形態学的に球関節に近いが、その運動は主としてこの関節を中心にして鎖骨の肩峰端が円をえがく運動で、そのとき鎖骨の外側端の動きは、直径約10cmの円をえがく。これによって上肢の運動範囲が拡大される。関節包は前面と後面で強くなって、それぞれ前胸鎖靱帯、後胸鎖靱帯という。関節包の下外方には強い肋鎖靱帯があって、第1肋軟骨の上面と鎖骨内側端の下面を結ぶ。胸骨の関節面より上方にとび出した左右の鎖骨内側端を結ぶ靱帯は、鎖骨間靱帯で、胸骨の頚切痕の上方を横走して左右の関節包を連結する。
関節円板
学名:Discus articularis
【英】:Articular disc
関節腔内に関節円板が存在して、関節腔を完全に二分することがある。関節円板の構造は表層部が線維軟骨様、中心部が腱様である。関節円板や関節半月は対向する骨間に介在して、関節面の適合性をよくする働きがある。血管や神経の分布を受けていない。
顎関節の関節円板
学名:Discus articularis
【英】:Articular disc of temporomandibular joint
関節円板は下顎頭のための可動性関節臼の役割を果たしている。この関節円板は前部では散在性の軟骨細胞を含む線維軟骨から成っている。その後部は2層性を示す。下顎窩の後壁に固着する上層は弾性線維を含む粗線線維性結合組織から成るが、下顎頭の後壁に付着している下層は非常に丈夫な密線線維結合組織からなるが、下顎頭の後壁に付着している下層は非常に丈夫な密線線維結合組織からなっている。前方で関節円板は関節包ならびに外側翼突筋と強固に結びついている。一般的には関節円板または関節半月は膠原線維の多い線維軟骨性の結合組織から成っている。円板は関節腔を完全に、半月はそれを不完全に分けている。円板および半月は誘導機能をもち、関節面の接触を良くし、場合によっては、顎関節または胸鎖関節などに見られるように、完全に分かれた2つの関節腔をつくりだすことさえある。このような関節円板は疾患時に、あるいは摘出されても新生が起こりうる。
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