かま‐とと【×蒲▽魚】
かまとと
蒲魚
- 何も知らぬ振りにとぼけた、人を喰つた主として若い女を指していう。つまり見かけは初心(うぶ)そうで内実はすれている。所謂食わせ者の意である。説によると、これはもとヅカ言葉(宝塚歌劇の人達の特殊語)で、ある女の子が、「蒲鉾つて、板に乗つて海の中を泳いでいるの?」と云つたやらで、それからかまとと(蒲鉾魚)と云う語が出来たと云うのであるが、最近、前田勇(註、大阪学芸大学教授)が「新関西新聞」紙上でこれを反駁して一荷堂半水の戯作「ことわざ臍の宿替」十篇に、釜魚(かまとと)と題して、次のような記事のあることを紹介している。「此の魚は市中にては稀れに聞くことあれど、多くは色町島々にもちひて、ちよつと一ばしは食へるやらなれど、なかなか胸中に毒ありて、うかつに食すべからず。年増芸子は格別に好まざれど、舞子、振袖は好んでこれを好く、然れども、多くは姉女郎のすすめによつてなるべし。料理の仕方は大抵同じすじなれば通客はこれを受けず、そうたいお上りのやぼ客をよろこばす魚なり。一名スカタンともいう」。して見ると、これはヅカガールの創作ではなく、もつと古く江戸時代から大阪で行われていた言葉が、たまたま楽屋言葉として、宝塚あたりに再現されたものと見なければならない。(以上大阪方言事典より)。
分類 芸能
「かまとと」の例文・使い方・用例・文例
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