かつて存在した氷床
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 14:20 UTC 版)
陸塊が誕生して以来の地球の長い歴史を見渡せば、全ての陸部が氷床化したと仮説されるスノーボールアース時代は言うまでもなく、そのほかにも決して少なくない数の氷床が存在したであろうが、それらのほとんどはよく知られていない。あるいは、存在を確かめられていない。ここでは新生代後期氷河時代(現在も続いているとされる最新の氷河時代)の到来以降に形成された氷床のうち、今は消滅してしまっている(あるいは、地質時代的現在は消滅期にあたる)ものについて解説する。 スカンジナヴィア氷床 スカンジナヴィア氷床(英語: Scandinavian ice sheet) は、ブリテン諸島北部(アイルランド北部およびイギリス北部)からスカンジナヴィア半島を経てロシア西部に至る地域に存在していた氷床である。約2万年前のピーク時には数千メートルを超える厚さがあった。この氷床はフィンランドやスウェーデンが起源地となっていて、流れ出た岩石や迷子石の種類を調べることによって判明した。北ヨーロッパの現在の地形はこのときの氷河作用によって形成されたものが多く、ノルウェーのフィヨルド、スコットランドの湖沼群、モレーンの丘などがその代表例と言える。氷河によって丘が削り取られた結果、ヨーロッパでなだらかな波状地形が見られる。約2万年前以降はゆっくり縮小し、7000年前頃には一部の山岳氷河を残して消滅した。 ローレンタイド氷床 ローレンタイド氷床(英語: Laurentide ice sheet) は、現在のカナダとアメリカ合衆国の北半分を覆う巨大な氷床で、氷河の跡は五大湖や氷河湖として見られる。 パタゴニア氷床 パタゴニア氷床(英語: Patagonian ice sheet) は、現在のチリのパタゴニア地方にある。
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