消滅期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:40 UTC 版)
前述の様な経緯で廃止、消滅の道を辿った。ベルリオーズが19世紀半ばに出版した『管弦楽法』の中では、カストラートはすでに「ほとんど完全に姿を消しつつある」状態だったという。彼はローマでカストラートの歌声に接しているが、その状況を「それほど悔やまれることではない」としている。 ベルリオーズらによって、オペラは演じる俳優の物からオペラ作家と興行主の物へと変わり、次第にオペラから凝った技巧は排除されていった。重厚な演奏が重要視されるようになったため、楽器の数が増大し、勝手に台本を変えることは困難となる。その結果、役者は台本通りに演じることを強いられるようになり、オペラの舞台から即興の余地は無くなった。こうしてカストラートは姿を消していった。 記録に残る歴史上最後のカストラート歌手は1922年に死去したアレッサンドロ・モレスキであり、20世紀初頭の録音が残されているが、年齢的にはピークの時期をおよそ過ぎてからのものである。
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