いとおかし
この表現は、平安時代の貴族たちが持っていた繊細な感性や、美しいものへの憧れを象徴しており、その時代の文化や風俗を理解する上で重要なキーワードである。例えば、源氏物語や枕草子などの古典文学作品においては、登場人物たちが美しい景色や雅な行事に感動し、いとおかしと詠む場面が数多く描かれている。
また、いとおかしは、和歌や俳句などの詩歌にも頻繁に用いられる表現であり、詩人たちが自然や人間の情感を美しく表現する際に重要な役割を果たしている。
いとおかし
「いとをかし」は「いと+をかし」という構成の表現である。「いと」は「たいへん・非常に・とても」という意味の強調表現であり、「をかし」は「趣がある・見事だ・美しい・興味深い」といった意味合いの語。名状しがたい種類の感動を表現する言い方であり、現代の若者言葉でいう「超エモい」「めちゃくちゃグッときた」「激ヤバ」などのような表現に通じるところがある。
「いとをかし」は平安文学などによく用いられたが、既に廃れた語彙であり、現代語には残っていない。とはいえ「枕草子」などの作品を通じて多くの人が知っている古語ではある。
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