あかがね御殿とは? わかりやすく解説

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あかがね‐ごてん【銅御殿】

読み方:あかがねごてん

東京都文京区小石川にある木造建築物明治末から大正元年(1912)にかけて、実業家磯野敬邸宅として建てられたもの。全国から集めた高級材を使用し屋根外壁には銅板張られている。現在は財団法人大谷美術館所有で、国の重要文化財


多木浜洋館

(あかがね御殿 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 08:35 UTC 版)

多木浜洋館
外観
情報
用途 迎賓館
建築主 多木久米次郎
構造形式 木造、一部煉瓦積
階数 地上4階
着工 1918年
竣工 1933年
所在地 675-0122
兵庫県加古川市別府町東町174
座標 北緯34度43分20.75秒 東経134度50分47.37秒 / 北緯34.7224306度 東経134.8464917度 / 34.7224306; 134.8464917 (多木浜洋館)座標: 北緯34度43分20.75秒 東経134度50分47.37秒 / 北緯34.7224306度 東経134.8464917度 / 34.7224306; 134.8464917 (多木浜洋館)
文化財 主屋、石造門、煉瓦塀、記念碑(国の登録有形文化財)
指定・登録等日 2002年8月21日
備考 別名:あかがね御殿
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多木浜洋館(たきはまようかん)は兵庫県加古川市にある西洋館である。1933年に竣工した。国の登録有形文化財に登録されている。

概要

加古川市に本社を構える多木化学の創業者である多木久米次郎が迎賓館として別府川河口に面する現在地に15年の歳月をかけて建築したもの。 屋根および外壁全面が銅板葺という特徴から「あかがね御殿」と呼ばれている[1][2]

当時まだ珍しかった4階建ての邸宅建築で、内部は大理石敷、壁面赤塗、彩色彫刻やステンドグラスなどの華麗な装飾がなされ、木造の階段は国会議事堂を模している。また、1階大広間の天井は桃山風の格天井に極彩色の彫刻をはめこみ、柱はマホガニーやチーク材が使われている。

2002年(平成14年)8月21日に主屋、石造門、煉瓦塀、記念碑が国の登録有形文化財(建造物)に登録された。また2020年(令和2年)1月21日に兵庫県景観形成重要建造物に指定(第12次)された[3][4]

多木浜洋館は、多木化学の創業者、多木久米次郎が来賓を迎えるために大正の中頃に着工、昭和8年に完成した贅を尽した4階建ての洋館です。屋根、外壁に銅板を張りめぐらせていることから「あかがね御殿」と呼ばれるようになりました。内部は非公開です。平成14年に国の登録有形文化財となりました。近くの別府港には、公共親水緑地として埋め立て、整備された「別府みなと緑地」があります。

— 現地説明文から

年表

  • 1918年(大正7年) - 起工。
  • 1933年(昭和8年) - 竣工。
  • 2002年(平成14年)8月21日 - 主屋、石造門、煉瓦塀、記念碑が国の登録有形文化財(建造物)に登録。
  • 2003年(平成15年)6月 - 銅版屋根葺き替え。
  • 2010年(平成22年)8月 - 1階の窓、及び2階・3階の客室を復元。
  • 2012年(平成24年)8月 - 1階大広間の壁面クロスを復元。
  • 2020年(令和2年)1月21日 - 兵庫県景観形成重要建造物に指定(第12次)。

建物の特徴

外観は3階建て、一部4階建て。建物全体が銅板葺きで銅色(あかがね色)だったことから「あかがね御殿」や建物が「比べるものがない」という意味で「同比閣(どうひかく)」と呼ばれる。傾斜の異なる屋根が複雑に重なり合う、ユニークな外観の木造洋館。

  • 敷地北側の石造りの門と煉瓦壁、大理石を敷き詰めた玄関。
  • 建物1階の一部が煉瓦積とした木造3階建て、屋根裏を利用した一部4階建て。
  • 玄関から中央3層吹き抜けの階段ホール、階段ホールに面して各室を設置。
  • 1階の大広間は、桃山風の格天井に極彩色の彫刻(農作物にちなんだ植物)をはめこみ、 柱はマホガニーやチーク材を使用、壁面には西陣織り、寄木の床、壁面の腰には木彫りの家紋をあしらっている。
  • 木造の折れ階段は国会議事堂を模している。
  • 2階の貴賓室は、大きな鏡が部屋を映し出すことから、「鏡の間」と呼ばれている。寄木の床、装飾された腰壁、天井は落ち着いた朱の色合いの、折上げ格天井で金色に草花の彫刻が施されている。

美術品

  • 1階大広間
    • 「夾竹桃ある家」 - 姫路出身の画家 飯田勇 作(大正13年第5回帝展入選作)
    • 「硫安工場の秋」 - 梶悦次 作(日展出品作品)
  • 2階ロビー
    • 等身大の木彫「護り」 - 大野明山 昭和12年作(須佐之男命が稲田姫を護っている。昭和13年日展入選作品)

建築データ

  • 設計 - 不詳
  • 起工 - 1918年
  • 竣工 - 1933年
  • 構造 - 木造、地上4階建、1階一部煉瓦積
  • 所在地 - 〒675-0122 兵庫県加古川市別府町別府
  • 備考 - 国の登録有形文化財(主屋、石造門、煉瓦塀、記念碑)
    • 多木浜洋館主屋[5]
    • 多木浜洋館石造門[6]
    • 多木浜洋館煉瓦塀[7]
    • 多木浜洋館記念碑[8]

利用案内

  • 通常、内部は非公開
  • 団体の見学は、個別に相談(電話受付時間 平日9:00 - 17:00)
  • 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、しばらくの間見学会は中止

交通アクセス

地図

周辺情報

脚注

  1. ^ 多木浜洋館(あかがね御殿)・別府港”. 加古川観光協会. 2020年10月28日閲覧。
  2. ^ 多木化学の創業者が建てた銅板張りの洋館”. 株式会社 フューチャーリンクネットワーク. 2020年10月28日閲覧。
  3. ^ 景観形成重要建造物の指定(第 12 次)について”. 兵庫県HP. 兵庫県. p. 6 (2020年1月21日). 2020年10月28日閲覧。
  4. ^ 多木浜洋館など8件 兵庫県が景観形成重要建造物に指定”. 神戸新聞NEXT (2020年1月22日). 2020年10月28日閲覧。
  5. ^ 多木浜洋館主屋”. 国指定文化財等データベース. 文化庁 (2002年8月21日). 2020年8月14日閲覧。
  6. ^ 多木浜洋館石造門”. 国指定文化財等データベース. 文化庁 (2002年8月21日). 2020年8月14日閲覧。
  7. ^ 多木浜洋館煉瓦塀”. 国指定文化財等データベース. 文化庁 (2002年8月21日). 2020年8月14日閲覧。
  8. ^ 多木浜洋館記念碑”. 国指定文化財等データベース. 文化庁 (2002年8月21日). 2020年8月14日閲覧。

外部リンク



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