『日本史』の構成と特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 07:50 UTC 版)
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研究により、『日本史』は以下のような構成によって成り立っていたことがわかっている。 第1巻序文 日本六十六国誌 : 未発見 日本総論 : 目次のみ現存 第2巻第一部 : 1549年(天文18年) - 1578年(天正6年)の記録 第3巻第二部 : 1578年(天正6年) - 1589年(天正17年)の記録 第三部 : 1590年(天正18年) - 1593年(文禄2年)の記録 本文は現存しない「日本総記」と称される第1巻(序文・日本六十六国誌・日本総論から成る)、フランシスコ・ザビエルが日本を訪れてキリスト教の布教が開始された1549年(天文18年)から1578年(天正6年)までからなる第2巻、そして1578年(天正6年)から1589年(天正17年)までからなる第3巻から構成される。ただし、実際の第3巻は1594年(文禄3年)まで執筆されており、1589年(天正17年)以後の部分は加筆されたものと考えられ、この加筆部分を別の巻として扱う見方もある。 キリスト教の布教史としてのみならず、織田信長・豊臣秀吉ら諸侯・武将の動向から庶民生活の実情、災害や事件などについて細かく描かれており、一部に日本人に対する誤解やキリスト教的偏見が含まれているものの、優れた観察眼と情報蒐集の確実性が明らかにされており、日本史における重要な史料として高く評価されている。また日本語研究においても、日本の人名や地名のローマ字表記から当時の発音が分かる貴重な史料である。
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