『女の一生』
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『女の一生』は森本の絶筆となった作品で、恋人でもあった女優の杉村春子のために書いたものとされる。初演(久保田万太郎演出)は空襲の間隙を縫うように渋谷東横映画劇場で上演された。戦後の1946年(昭和21年)に初演台本のプロローグとエピローグを病床の森本が戦後版へ改訂(文明社版)し、森本が没した翌月に再演された。初演からその後の台本改訂について井上理恵「森本薫『女の一生』論」(『近代演劇の扉をあける』所収・社会評論社)の詳細な研究がある。主役の布引けい役を演じた杉村は戦後初の日本芸術院賞を受賞した。この作品は、杉村主演で947回の上演回数を誇り、杉村死去後は平淑恵(初演版)、荘田由紀、山本郁子らを主演に擁し上演、文学座史上最多公演数を誇る文学座を代表するヒット作品となり 、森本の名を残すものともなった。文学座以外の上演としては戌井市郎の演出や補綴により劇団新派が波乃久里子主演で2009年と2011年に、ドナルカ・パッカーンが内田里美主演で2019年に(初演版)、松竹が大竹しのぶ主演で2020年に上演している。また、旧ソ連、中国でも翻訳上演されている。
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