「恨」の文化に対する評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 05:09 UTC 版)
蓮池薫は、「朝鮮半島は、歴史的に大国に囲まれた中で、試練が多かったわけですね。それで自分の思い通りにできない。その切なさが『恨』。やむを得ず、中国の明や清の影響下に入り、国の存続を図ってきた。私が最初に翻訳した『孤将』という小説の主人公で、豊臣秀吉の軍勢を迎え撃った李舜臣は、その典型です。猜疑心の強い自国の王からも信用されず、援軍として駆けつけたはずの中国は、裏で日本と手を握って、朝鮮半島の命運を決めてしまう。なんとか自分の思う方向に導いて解決したいとの思い、どうして自分の国を強くして守りきれないのかという部分もある」と評している。 中兼和津次は、「韓国人の『恨』の構造だが、昔、ある韓国人との対話の中で、韓国人の本音と思われることを聞いた。日本の植民地支配36年による『恨』(コンプレックス)を晴らすには、一度韓国が日本を36年間植民地にして、それが終わってはじめて両者が平等になる、というもの。そこまで『恨』の感情が強いのか、と思った。では、なぜ韓国人は、植民地とは言えないものの、もっと長い間、冊封によって韓国を属国としてきた中国人に対して、同様な感情を持たないのか? それは、韓国人のもつ儒教感が原因ではないか。(中略)呉さんによれば、韓国人にとっては中国が父親、韓国が長男、日本は末子(次男)、という関係。中国は社会主義化、日本は明治時代以降、近代化。韓国は近代化したが、相変わらず儒教イデオロギーの枠の中におり、次男に対しては、『けしからん』という気持ちを持っている。本来、長男である自身が、次男によって傷つけられたという悔しさがある、ということで納得した」と評している。
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