「働かなければいい」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 14:34 UTC 版)
2017年5月15日、飲食店における受動喫煙対策に関連した自民党厚生労働部会において、三原じゅん子参議院議員が「患者側は店や仕事場を選べない」などと述べたことに対し、大西が「働かなければいいんだよ」と発言して問題となった。 当初は取材に対し、「『(がん患者は)働かなくていい』という発言を私が行ったという問い合わせがあることに驚いている」「私がご指摘のような発言をしたことは絶対にありません」と文書で回答していたが、後に会議の音声データがマスコミに提供されたことにより大西自身の発言であることが発覚した。 大西は、自身は喫煙所を置けない小規模飲食店の廃業・倒産を懸念する観点から、それらの小規模飲食店では喫煙表示の厳格化を条件に喫煙を認めてもいいのではないか、と考えており、当該発言は喫煙可能な店舗で無理をして働かなくてもいいのではないかと述べたもので、「がん患者が働かなくてもいい」いう趣旨ではないが、がんの患者や元患者の気持ちを傷つけたのではないかとして、同月22日に謝罪をおこなった。その反面、「がん患者のご努力を傷つけるような発言はなかった」とも主張している。 5月23日には、発言について下村博文幹事長代行から厳重注意を受け、自民党都連副会長を辞任した。 全国がん患者団体連合会などは「治療と仕事の両立が政策として実行されてきた中で、逆行する発言だ」「怒りというよりも悲しい」と大西の発言を批判した。 大西はAERAの取材に対し、「私の発言の前に行われている受け止め手の議員の方のお話自体が、『喫煙・非喫煙の表示義務を課したうえで、極めて小規模の飲食店に喫煙を認めたとき』に限定された話。私の発言に補足をするなら、『(極めて小規模な飲食店で喫煙を認めたとして、そこで無理して)働かなくてもいい』のはずですが、がん患者全体、オフィスを含めたあらゆる職場における発言をしたように受け止められています」、「(がん患者は)働かなくてよいという趣旨での発言をしてはいないので、発言自体は撤回していません。また撤回したら、あとあと私の政策や信条とつじつまがあわなくなります。小規模飲食店での就労を受動喫煙で敬遠せざるを得ない点については、仕事と治療の両立を掲げる働き方改革の中で就労支援や再就職支援の充実などが重要と考えています。私はこういう主張を報道当初からずっとブログなどで続けてきました」と述べた。 当初は発言したこと自体を認めず、後日報道各社から問い詰められたことにより発言を認めた経緯ついて、現代ビジネスが「この二転三転ぶりには、呆れるほかない」と論じたところ、大西は事務所を通じて、「『喫煙可能な店で、無理をして働かなくていい』という意味であった。回答は、働かなくていいという発言をしたことを否定するものではない。よって、二転三転してはいない」と反論した。 2018年5月8日にダイヤモンド社が当発言について「看過しがたい」と論じたところ、大西は事務所を通じて、「発言の前後関係はちゃんとチェックしたのか」と抗議した。 2018年7月10日の参院厚生労働委員会において、三原じゅん子が大西の一連の行動について、「当初は様子を伺って、世間からの批判が大きくなって初めて、言い逃れのような釈明を行うというのも潔くないなと感じました」と評した。また、大西の発言内容についても、「がん患者の方々もがん患者の就労はまだまだ厳しい中、危機感を持っている。患者らからも怒りや悲しいという声が寄せられたと述べておられました。私も全く同感です」と述べた。
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