「ロマンスカー」の名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 10:19 UTC 版)
「小田急ロマンスカー」の記事における「「ロマンスカー」の名称」の解説
「ロマンスカー」の呼称は戦前から存在し、1934年頃の江の島海水浴宣伝のパンフレットに「ロマンスカーは走る」「大東京のセンター新宿から」の文言が掲載され、電車内の写真にも「小田急のロマンスカー」と説明がつけられた。ただし、この際にはロマンスカーとは小田急の専有名称ではなかった。 終戦後の1949年頃に、新宿の映画館「新宿武蔵野館」を復旧改装するにあたり、恋人同士の映画鑑賞を企図して2人掛けの座席を館内2階に設けたところ、「ロマンスシート」としてマスコミに取り上げられた。その頃に運行を開始した小田急の特急車両が2人掛けの対面座席を採用したことから「ロマンスカー」と称され、小田急「ロマンスカー」が命名された。しかし、この時期には国鉄を含め他社も同様の車両を有し、一部は「ロマンスカー」を名乗ったため、小田急の専有名称とはなっていない。 1991年に東武1720系「デラックスロマンスカー (DRC)」が引退したのを機に、小田急は「ロマンスカー」を自社で商標登録した。なお小田急以外で「ロマンスカー」として製造された車両が完全に引退することになるのは、2012年の長野電鉄2000系の運用離脱となる。 「ロマンスカー」は固有名詞で、英語圏の人は解せない。60000形MSE車のブルネル賞受賞表彰式に際し、小田急の担当者が「6両と4両の2編成がキスをするからロマンスカーなのか」と現地の人から質問されたエピソードもある。 2010年の時点で、小田急で特急列車はロマンスカーを指し、他社は「つぎ(こんど)の特急」と標記するところを、ホーム上に設置した特急券券売機で「つぎ(こんど)のロマンスカー」と標記している。それ以外の旅客上の案内では、小田急と東京メトロともに「特急ロマンスカー」という表現を用いている。
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