《玄人》の正しい読み方
「玄人」の正しい読み方
「玄人」は「くろうと」と読む。「げんじん」は誤った読み方である。「玄人」の意味解説
「玄人」はある物事に熟達した専門家や職人を意味する言葉である。特に技芸に長けた人への尊称として用いることが多く、趣味人への褒め言葉の意味もある。また、ホステスや芸者などの水商売に従事する女性に使われることがある。これは酒に酔った男性をあしらうのが上手く、上機嫌にさせて散財させる術を心得ていることが由来だ。状況を把握する能力が高く、他人を思い通りに操ることをからかう意味で「玄人」と称することもあるが、この言い方はネガティブな意味が強い。なぜ「玄人」と読むのか・理由
「玄人」と書いて「くろうと」と読むようになったのは江戸時代からとされている。元は「黒人」と書いていたが、「黒」には「奥が深い」「熟練した」などの意味がある。黒は何色にも染まらない色であり、複数の色が混ざり合って最後に生じる色でもある。ここから黒い色は最上の色とされ、経験豊富な熟練者を「黒人」と書いて「くろひと」と呼ぶようになった。一方で黒は「死」「穢れ」を意味する縁起の悪い色ともされていたことから、同じ読みの「玄」が使われるようになった。「玄」には「奥深く、容易ではない」という意味があるため、熟練者を意味する「くろうと」の当て字に適していたのである。「玄人」の対義語である「素人」も元は「白人」と表記していた。「白」は無垢の象徴であり、そこから未熟や未経験の意味を持つようになった。当て字の「素」にも「着色していない、加工していない」という意味があり、「玄」とは対極の位置にある。「黒人」「白人」と表記したのは囲碁のルールが由来という説もある。囲碁は強い人が黒い石を使って先手を打つのがルールであり、そこから経験豊富な熟練者を「黒人」、未熟な初心者を「白人」と称するようになったと言われている。
「玄人」の類語・用例・例文
「玄人」の類義語は「名人」「達人」「熟練者」などがある。読み方はそれぞれ「めいじん」「たつじん」「じゅくれんしゃ」で、いずれも何らかの物事を極めた人、経験豊富な人という意味を持つ。例文としては「彼の芸は玄人受けする」「お菓子作りの名人」「あの人の剣技は達人の域だ」「熟練者を名乗るには経験が足りない」などがある。「玄人」の英語用例・例文
「玄人」を意味する英語は「expert」「professional」などがある。いずれも何らかの物事に詳しく、他人よりも優れた技巧を持っているという意味で用いられる。例文としては「料理の玄人」「営業代行のプロフェッショナル」がそれぞれ「cooking expert」「sales agency professional」に英訳できる。- 《玄人》の正しい読み方のページへのリンク