“カテゴリー6および7”
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/17 06:08 UTC 版)
「サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケール」の記事における「“カテゴリー6および7”」の解説
2005年の大西洋におけるハリケーンの時季に発生した一連の強力なハリケーンとハリケーン・パトリシアを経験した後で、新聞のコラムニストや科学者らは、カテゴリー6を導入してはどうかと提言し、風速が174あるいは180 mph (78あるいは80 m/s)を上回るハリケーンにカテゴリー6を適用するよう、釘をさした。2017年にハリケーン・イルマを経験すると、改めてこの問題について一考を促す呼びかけがなされ、一部では、“カテゴリー6”のハリケーンとして、この用語を使う地元の政治家たちが続出した結果、見たところでは信用できそうな多くの誤った報道が話題となった。この規模のハリケーンが記録された例は数少ない。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている大西洋で発生した35個のハリケーンのうち、175 mph (78 m/s)以上の風速を記録したのは19個、180 mph (80 m/s)以上の風速を記録したのは、たった8個(1935年のレイバー・デー・ハリケーン(英語版)、アレン(英語版)、ギルバート、ミッチ、リタ、ウィルマ、イルマ、ドリアン(英語版))である。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている東太平洋で発生した18個のハリケーンのうち、175 mph (78 m/s)以上の風速を記録したのは5個(パッツィ(英語版)、ジョン、リンダ(英語版)、リック(英語版)、パトリシア)、180 mph (80 m/s)以上の風速を記録したのは、たった3個(リンダ、リック、パトリシア)である。このカテゴリーが適用されることになるハリケーンのほとんどは、西太平洋では台風あるいはタイフーンと呼ばれる。最も著名なのは1979年の台風20号で、190 mph (310 km/h)の持続風速を記録した。2013年の台風30号と2016年の台風14号は195 mph (314 km/h)の持続風速を記録した。時折、カットオフとして、それ以上に高い風速が測定されたと思わせる値が出ることがある。2018年11月に発行された新聞記事によると、アメリカ海洋大気庁で大気を研究している科学者のジム・コッシンは、気候が温暖化するにつれて、より強いハリケーンが発生する可能性が高まってきていると述べた上で、カテゴリー6を設けるならば、風速範囲の下限は195 mph (87 m/s)が妥当で、さらには仮定の話として、カテゴリー7の下限は230 mph (100 m/s)になるであろうことを示唆した。 ロバート・シンプソン(英語版)によれば、サファ・シンプソン・スケールは人工建造物に対するハリケーンの潜在的被害を想定するために設計されているため、カテゴリー6を設ける理由は存在しないとのことである。シンプソンは「155 mph (249 km/h)を超える風の吹く中へ入りますと、その極度の風が建物の面に6秒間も吹き続ければ、建物を破裂させる損害を引き起こすでしょうし、それはたとえどれほど丈夫に建てられていようとも深刻な事態です」と述べた。それにもかかわらず、フロリダ州のブロワード郡とマイアミ・デイド郡では、重要インフラの建物についてはカテゴリー5のハリケーンにも耐えられることを要件とする建築基準法が定められている。
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