劇評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 23:28 UTC 版)
演劇最強論-ing【連載】ひとつだけ 徳永京子編(2015/9)―『海辺のカフカ』より そしてもうひとり、さいたまネクスト・シアターの周本絵梨香も、村上春樹が書いた“戦争がもたらす肉体の悲劇”を静かに深く請け負う。夫を軍隊に取られた若い女性の欠落感は、時空に穴だって開けるのだ。ちなみに村上は、初演を開演から少し遅れて観て、その後もう1度、最初から観劇している。芸術新潮9月号のエッセイによれば、5月のロンドン公演をカズオ・イシグロが観て、村上に素晴らしかったと感想を言ったそうだ。 長谷部浩の劇評 TheaterGoer Directory【劇評48】蜷川幸雄の遺作『尺には尺を』。最後の贈り物。より 周本絵梨香のマリアナは、ひたむきさを前面に出して、現代ではありえない行動に説得力を持たせた。十二月に蜷川は入院しているので、稽古場には立てなかった。それにもかかわらず、まぎれもなく蜷川作品となっているのは、蜷川の演出がいかなるものであるのかを熟知し、蜷川ならばどんなだめ出しをするかを徹底して想像し、検証する作業を怠らなかったからろう。蜷川は、自分が手塩にかけたスタッフ、キャストから最後の贈り物をもらって逝った。そして観客もまた、その贈り物を受け取ることができた。
※この「劇評」の解説は、「周本絵梨香」の解説の一部です。
「劇評」を含む「周本絵梨香」の記事については、「周本絵梨香」の概要を参照ください。
「劇評」の例文・使い方・用例・文例
劇評と同じ種類の言葉
- 劇評のページへのリンク