集英社文庫 集英社文庫の概要

集英社文庫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/17 22:22 UTC 版)

沿革と概要

もともとは、当時集英社が出していた『小説ジュニア』に掲載されていた赤松光夫吉田としなどの青春小説の文庫化からはじまった(今のコバルト文庫である)。また、1976年からは集英社漫画文庫として、池田理代子ベルサイユのばら』や本宮ひろ志男一匹ガキ大将』などを皮切りに、漫画の文庫化(ただし、1980年代中盤にいったん消滅した)にも早くから取り組んでいた。それを基盤にして、1977年5月20日に大人向けの文庫シリーズとして創刊された。当初は価格を抑えており、他の文庫ではとうに姿を消していた200円未満の書目も散見された。

創刊当初より主に集英社が権利をもつ大衆文学を主力としたが、純文学のフィールドでも、当時『すばる』の看板作家だった石川淳や、小島信夫の作品を積極的に文庫化し、広い読者層を掘り起こそうともしていた。また、アラン・シリトーギュンター・グラスなどの、海外の当時の新鋭作家の作品も開拓した。

1982年に「広瀬正小説全集」全6巻を刊行。1993年にジュール・ヴェルヌ・コレクション全12巻を刊行。1994年に「荒俣宏コレクション」全10巻を刊行、1997年から1998年に「荒俣宏コレクション2」全10巻を刊行。

1994年より「ナツイチ・キャンペーン」を毎年夏に実施し、人気作品を集めた大規模なフェアを展開する。以後「新潮文庫の100冊」、角川文庫の「カドフェス」と併せ書店の店頭を彩る夏の風物詩として定着する。

翌1995年からはコミック版を復活。また、2007年6月に太宰治人間失格』の表紙画を小畑健にしたところ、異例の売り上げとなったため、翌年のナツイチからは人気漫画家が期間限定で古典作品の表紙画を描いている。

2002年から2009年まで「集英社be文庫」というレーベル名で、料理など生活関係や占い、著名人のエッセイなどを刊行した。ハードカバーの装幀が特色でスピン、花布も用いられている。そのため標準的な文庫本よりも若干サイズが大きい。

2003年からは古典作品を紹介する文庫内レーベルとして集英社文庫ヘリテージを刊行し、2016年に13巻でシリーズ完結。

創刊40周年を迎えた2017年、イラストレーターNoritakeが手がけた新キャラクター「よまにゃ」が登場[1]。限定カバーをはじめフェア全般で活躍している。 2019年には「セレクション戦争と文学」が全8巻で刊行された。

漫画家による表紙画の作品

2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年

CM出演者

夏の一冊(ナツイチ)編


  1. ^ Noritake公式サイト「WORKS」2018年7月2日2024年1月6日閲覧。
  2. ^ 人間失格ローソンHMV公式サイト


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