兵庫縣神戸護國神社 概要

兵庫縣神戸護國神社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/02 04:00 UTC 版)

概要

明治以降、兵庫会下山(現:神戸市兵庫区会下山町)に招魂祭庭、祭壇を設けて官民合同による戦没者の慰霊祭祀(招魂祭)が行われていたが、英霊の勲功を顕彰するためには社殿を建立して奉斎すべしとする県民各層の熱意により、神戸市灘区王子町の旧関西学院跡地約3000坪(現在の王子公園内)に鎮座地を決定し、1940年(昭和15年)4月27日に地鎮祭を斎行[1]、素木流造の本殿と諸社殿が建立された。1941年昭和16年)6月25日に内務大臣指定護国神社に指定[2]、翌7月17日から3日間、竣工鎮座祭の祭典が催され、7月17日に清祓式・神殿祭、18日に鎮座祭、19日に鎮座祭・竣工式・神振行事が執行された[1][3]

1945年(昭和20年)6月5日の神戸大空襲で社殿及び境内の建物を焼失し[4]第二次世界大戦後のGHQ(連合国軍最高司令官総司令部占領統治下は、「護国神社」の名称では軍国主義施設として廃止される恐れがあるとして、社号を「兵庫御霊神社」と改称していた。1949年(昭和24年)9月18日、神戸市灘区篠原北町の現在地に遷座[5]1950年(昭和25年)に兵庫縣神戸護國神社奉賛会が設立されて社殿の復興事業を進めた。

主権回復後の1952年(昭和27年)に社号を「兵庫縣神戸護國神社」に復称し、1957年(昭和32年)1月に社務所が落成、1959年(昭和34年)3月17日に仮殿遷座[6]、同年11月27日午後6時に本殿遷座祭[7]、翌28日に奉幣祭が行われた。遷座祭では昭和天皇から下賜された幣饌料を奉献、靖国神社奉賛会会長北白川祥子神社本庁統理代理宝来正信、伊勢神宮小林少宮司、靖国神社筑波藤麿宮司、元陸軍大将下村定、元海軍大将野村吉三郎等多数が参列、兵庫県警察音楽隊の合奏によって祭儀が進められた。総工費は5千万円(当時)[8]1960年(昭和35年)11月25日、昭和天皇から幣饌料が下賜[9]1966年(昭和41年)5月6日、兵庫縣神戸護國神社創立25周年記念大祭を斎行[10]、同年11月5日に常陸宮同妃の御参拝が行われている[11]1967年(昭和42年)4月11日、昭和天皇・香淳皇后の兵庫県行幸啓に伴い幣饌料が下賜されている[12]

その後も境内整備・本殿改修が行われた。1995年平成7年)1月7日の阪神・淡路大震災で社務所が半壊する等の大被害に遭ったが、遺族崇敬者の熱誠により、1996年(平成8年)年11月、阪神・淡路大震災被害修復竣工奉告祭が執行された。2011年(平成23年)に老朽化のため鳥居が撤去されたが、遺族崇敬者の寄付により、2013年(平成25年)11月に再建されている。

兵庫県内には、他に姫路市兵庫縣姫路護國神社があり、こちらは兵庫県西部の戦没者を祀っている。


  1. ^ a b 『神戸市史 第三集 年表索引編』神戸市、1968年11月30日、373頁。doi:10.11501/2990177 
  2. ^ 「護國神社指定」(昭和16年6月25日内務省告示第423號)『官報』第4338號、1941年(昭和16年)6月25日、809頁(NDLJP:2960836/7
  3. ^ 「彙報」『神戸商工会議所所報』第43号、神戸商工会議所、1941年7月25日、60頁、doi:10.11501/1563509 
  4. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 5頁
  5. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 27頁
  6. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 91頁
  7. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 96頁
  8. ^ 『神社新報選集 昭和36年版』神社新報社、1961年、166頁。doi:10.11501/3451839 
  9. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 104頁
  10. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 147頁
  11. ^ 「特集 全国護國神社総覧」『偕行』第680号、偕行社、2007年8月1日、34頁、doi:10.11501/3451657 
  12. ^ 『神祇史年表』下卷 増補版 156頁


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