ドルヴァ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/05 04:36 UTC 版)
神話
ドルヴァの神話はプラーナ文献に見られ、ヴィシュヌ信仰と結びつけられている。それによると、スヴァヤムブヴァ・マヌの子ウッターナパーダにはスルチとスニーティという2人の妻がいて、スルチはウッタマを、スニーティはドルヴァを生んだ。しかしウッターナパーダはスルチに操られ、ウッタマだけを可愛がった[1]。父とスルチに冷たく遇されたドルヴァは泣きながら母のもとに行った。すると母はヴィシュヌ神を信仰するよう勧めた。そこでわずか5歳の少年ドルヴァは1人で王宮を出て行った。
そんな彼にナーラダ仙は「ヴィシュヌ神の恩恵を得ることはどんな苦行をしても難しいことだ」と諭した。しかしドルヴァはためらうどころか、三界における至高の場所を望んでいた。そこでナーラダ仙は彼にオーム・ナモー・バガヴァテー・ヴァースデーヴァヤというマントラを授け、ヤムナー川の近くにあるマドゥヴァナの森で瞑想することを勧めた。
ドルヴァはマドゥヴァナの森で苦行を始めた。するとその苦行によって世界が振動し、神々を驚かせた。やがてヴィシュヌ神がやって来て、ドルヴァに星辰の中心の座(北極星)を与えた[3]。
参考文献
- 『インド神話伝説辞典』 菅沼晃編、東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。 ※特に注記がなければページ番号は本文以降
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2016年10月) |
- 上村勝彦 『インド神話:マハーバーラタの神々』 筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2003年1月。ISBN 978-4-480-08730-0。
固有名詞の分類
- ドルヴァのページへのリンク