狐の嫁入りとは? わかりやすく解説

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狐の嫁入り

読み方:きつねのよめいり

「狐の嫁入り」とは、いわゆる天気雨日照り雨)の俗称、または、無数の怪火狐火)が提灯行列のように連なるという怪異怪奇現象)の俗称である。

いわゆる天気雨を「狐の嫁入り」と呼ぶ文化は、ほぼ日全国及んでいる。日が照って晴れているのにぱらつくという不可解な現象を「仕業だ(化かしているのだ)」と見なす俗信に基づく呼び名考えられる

熊本県あたりでは虹が出ることを「狐の嫁入り」といい、愛知県あたりでは(あられ)が降ることを「狐の嫁入り」という。

怪談・怪奇現象としての「狐の嫁入り」

怪異としての「狐の嫁入り」は、夜の山におびただしい数の怪火灯り、それが列を成すかのように見えるものとされる。その灯りは人ならぬ者の火であり、か怪火大群嫁入り等の祝賀表示提灯行列である、という見立てから「狐の嫁入り」という表現定着したものと推測される

狐火」は発生源不明の火のことであり、別名「鬼火」「陰火」「幽霊火」などともいう。青白く見える火を指すことが多いとされる

日本には全国各地に「狐火」や「狐の嫁入り」の伝承がある。化かされた話も多く伝わる。こうした話は必ずしも怪談(怖い話)ばかりとは限らず、人に恵みもたらす結果につながる場合もある。神使神の使い)という側面もある。

「狐の嫁入り」に関連するキーワード

つがわ狐の嫁入り行列

「つがわ狐の嫁入り行列」とは、新潟県下越地方にある東蒲原郡阿賀町毎年5月3日行われる祭である。阿賀町津川地区古くから伝わる狐火まつわる伝承因んでいる。

「つがわ狐の嫁入り行列」は、江戸時代頃の伝統的な嫁入り再現した、いわばパレードである。夕方白無垢姿の花嫁108人のお供連れて住吉神社出発し花婿の待つ麒麟山公園へ、さまざまな儀式交えながら向かう。観光客モチーフとするメイクを施すサービスもあり、町全体華やぐ

みのわの里のきつねの嫁入り

「みのわの里のきつねの嫁入り」とは、群馬県高崎市箕郷町開催されている祭である。地域公民館活動一環である着付け教室から始まったらしい。着物を着る機会として、昭和30年代行われていた貰い祝儀再現をしたことを皮切りに、国の指定遺跡である「箕輪城跡」と和装文化とを融合させた祭を、稲荷曲輪の姿を借りて毎年行っている。

きつね‐の‐よめいり【×狐の嫁入り】

読み方:きつねのよめいり

日が照っているのに、急にぱらつくこと。日照り雨

夜、山野狐火連なって嫁入り行列提灯(ちょうちん)のように見えるもの。


狐の嫁入り

作者西村望

収載図書狐の嫁入り
出版社広済堂出版
刊行年月1989.3
シリーズ名広済堂文庫


狐の嫁入り

作者千木良房江

収載図書童話集 ピョンちゃんの夢
出版社文芸社ビジュアルアート
刊行年月2007.12


狐の嫁入り

作者奥田美智子

収載図書月の花日本人心と
出版社文芸社
刊行年月2008.9


狐の嫁入り

作者今井絵美子

収載図書星の契出入師夢之丞覚書
出版社角川春樹事務所
刊行年月2008.10
シリーズ名時代小説文庫


狐の嫁入り―狐嫁女

作者蒲松齢

収載図書聊斎志異
出版社岩波書店
刊行年月2002.5
シリーズ名岩波文庫


狐の嫁入り

作者辻井喬

収載図書けもの道は暗い
出版社角川書店
刊行年月1989.7
シリーズ名角川文庫

収載図書変身譚
出版社角川春樹事務所
刊行年月1998.6
シリーズ名ハルキ文庫


狐の嫁入り

作者池波正太郎

収載図書池波正太郎短篇コレクション 11 あいびき
出版社立風書房
刊行年月1991.12

収載図書完本池波正太郎大成27時代小説短編(4)
出版社講談社
刊行年月2000.9


狐の嫁入り

作者池田瓢阿

収載図書骨董巷談古美術をめぐる恋と欲の物語
出版社里文出版
刊行年月1992.10


狐の嫁入り

作者伊藤桂一

収載図書遠花火
出版社毎日新聞社
刊行年月1993.8

収載図書月夜駕籠風車の浜吉捕物
出版社新潮社
刊行年月1995.2

収載図書月夜駕籠風車の浜吉・捕物
出版社新潮社
刊行年月1998.3
シリーズ名新潮文庫

収載図書月夜駕籠風車の浜吉・捕物
出版社学習研究社
刊行年月2006.2
シリーズ名学研M文庫


狐の嫁入り

作者海野弘

収載図書江戸語れ
出版社河出書房新社
刊行年月1999.12


狐の嫁入り

作者稲葉希代

収載図書狐の嫁入り
出版社文芸社
刊行年月2004.2


狐の嫁入り

作者平岩弓枝

収載図書狐の嫁入り―御宿かわせみ 6 新装版
出版社文藝春秋
刊行年月2004.10
シリーズ名文春文庫


狐の嫁入り

作者中島敏

収載図書太郎の絵―中島敏創作
出版社河出書房
刊行年月2005.12


狐の嫁入り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/09 00:51 UTC 版)

狐の嫁入り(きつねのよめいり)は、日本本州四国九州に伝わる怪異[1]


注釈

  1. ^ 日野 1926, p. 76より引用。
  2. ^ 英語では「猿の嫁入り」 (monkey's wedding) ということがある。
  3. ^ 柴田 1963, p. 91より引用。
  4. ^ 近松他 1980, p. 551や近森 1974, p. 37より引用。

出典

  1. ^ a b 村上 2005, p. 117
  2. ^ 日野 1926, p. 76.
  3. ^ 笹間良彦『図説・日本未確認生物事典』柏書房、1994年1月、109頁。ISBN 978-4-7601-1299-9 
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n 鈴木 1982, pp. 198–199
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  7. ^ 茨城県西茨城郡七会村」『民俗採訪』昭和45年度号、國學院大學民俗学研究会、1971年10月10日、108頁、NCID AN003138742014年9月13日閲覧 
  8. ^ 口承文芸」『町田の民俗』昭和61年度号、東洋大学民俗研究会、1988年3月、117頁、NCID BN117945572014年9月13日閲覧 
  9. ^ 田中正明東秩父旧槻川村の民俗」『秩父民俗』10号、秩父民俗研究会、1975年3月15日、38頁、NCID AN001420902014年9月13日閲覧 
  10. ^ 増田昭子・今越祐子「多摩の昔話」『常民文化研究』7号、常民文化研究会、1983年8月1日、37頁、NCID AN003327662014年9月13日閲覧 
  11. ^ 青木直記「見聞覚書」『民間伝承』22巻10号、民間伝承の会、1958年10月5日、28-29頁、NCID AN002366052014年9月13日閲覧 
  12. ^ 信仰」『柳沢の民俗』29号、東京女子大学史学科民俗調査団、1996年3月、130頁、NCID BN137250892014年9月13日閲覧 
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狐の嫁入り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 22:31 UTC 版)

日本の文化における狐」の記事における「狐の嫁入り」の解説

狐の嫁入りを描いた印籠表面) 籠に乗った新婦裏面詳細は「狐の嫁入り」を参照 「狐の嫁入り」といわれる現象には、提灯群れ思わせる夜間の無数の怪火と、日が照っているのに雨が降る俗にいう天気雨の、2つがある。また古典怪談随筆伝説などには異様な嫁入り行列伝承見られる江戸八丁堀本多家に、日暮れから諸道具運び込み、九ツ前、提灯数十ばかりに前後数十人の守護連れた鋲打ちの女乗物が、本多家の門をくぐった5、6千石婚礼の体であったが、本多家の人は誰も知らなかったという。このような狐の嫁入りには必ずにわか雨が降るとされるが、やはりこれも降雨司る農業神性質であろう

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狐の嫁入り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 21:16 UTC 版)

狐火」の記事における「狐の嫁入り」の解説

詳細は「狐の嫁入り」を参照 山形県出羽秋田県では狐火を「松明(きつねたいまつ)」と呼ぶ。その名の通り、狐の嫁入りのために灯されている松明と言われており、良いことの起き前兆とされている。 宝暦時代越後国(現・新潟県)の地誌越後名寄』には、怪火としての「狐の嫁入り」の様子が以下のように述べられている。 夜何時(いつ)何處(いづこ)共云う事なく折静かな夜に提灯或は炬の如くなる火凡(およそ)一里余も無間続き遠方見ゆる事有り。右何所にても稀に雖有、蒲原郡中には折節有之。これを児童の婚と云ひならはせり。 ここでは夜間の怪火が4キロメートル近く並んで見えることを「の婚」と呼ぶことが述べられており、同様に日本各地夜間の山野怪火連なって見えるものを「狐の嫁入り」と呼ぶ。

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