近・現代の再評価とは? わかりやすく解説

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近・現代の再評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 07:37 UTC 版)

曹操」の記事における「近・現代の再評価」の解説

『三国志演義』影響によって悪役としての評価定着した曹操であるが、1950年代以降入ってからは、再評価進んでいる。 近代中国においては、西洋進出に対してその劣位明白になり、幾度となく近代化目指しては失敗した背景に、思想的儒教華夷思想への偏重などがあったと反省され、思想的枠組み超えて合理性追求した曹操施策が、魯迅など多く知識人によって再評価された。 特に曹操再評価盛り上げたのは毛沢東で、彼の主導の下、曹操再評価運動大々的行われた郭沫若戯曲において曹操肯定的に評価したのもこの頃である。また、文化大革命時の批林批孔運動でも、曹操は反儒教人物として肯定された。 批林批孔運動では、儒法闘争史観主張された。これは中国思想儒教系譜孔子孟子などが中心)と、道家法家兵家墨家老荘韓非子孫子墨子等)や王充二つ分け儒家を悪の権化として法家善玉とする史観である。中国共産党からすれば、これら二つ思想は「革命」の段階的進行であった、と説明されている。身分制度重視し男女差別人倫の基とした儒教系譜に対して否定的な評価がなされ、合理性追求した法家思想には甘い評価為される傾向がある。その中で曹操法家重要人物として高い評価与えられた。そのため、曹操単なる悪役」から多少味のある悪役程度には評価変えてきているようになり、京劇隈取り善玉のものに変えるよう政府から指示されたという(前述竹内論考)。 日本では吉川英治小説『三国志』において曹操悪役ではなく作品前半主人公一人として描き新たな曹操像を提示した1962年吉川幸次郎が『三国志実録』において曹操再評価行い、特に文学の面での功績高く評価した。またそれまで日本語訳無かった正史三国志』に着目し曹操事跡正史によって詳しく紹介した長年かけ弟子井波律子らが完訳した陳舜臣作『秘本三国志』は、『三国志演義』依拠しない、新し史実解釈用いた小説として、大きな影響与えた。のちに作者は『曹操』とその続編曹操残夢』を著したこの他曹操主役格に据えた作品として、北方謙三『三国志』がある。漫画作品では吉川英治『三国志』漫画化した横山光輝『三国志』や、李學仁原案原作)・王欣太作画蒼天航路』が登場し、またコンピュータゲームでもコーエー(現・コーエーテクモゲームス)から『三國志曹操伝』が発売されている。 歴史学的には、まず中国における郭沫若らの曹操論争があって文学的な評価進み、その流れ受けて日本でも京都大学谷川道雄川勝義雄らによる曹操集団および曹魏政権対す再評価進んだ曹操政策として知られる九品官人法魏晋南北朝時代貴族制度の前史として言及されることが多い。川勝らの曹操ないし曹魏政権魏晋南北朝理解に対して越智重明矢野主税などとの間では1950年代から1970年代の間に活発な議論があった[要出典]。また後漢建国の経緯から豪族のと知識人糾合した政権であり、統治機能失われた黄巾の乱以降に、いち早く豪族知識人糾合することに成功したのが曹操であり袁紹であった曹操袁紹勝利した要因には上述九品官人法のような現実的な人材登用制度採用がある。また屯田制豪族土地農民所有する制度対抗するために導入したが、結果として全ての土地曹氏のものとなった。これはのちの西晋占田・課田制とそれに続く均田制かんがみる公地公民制度の端緒といえる

※この「近・現代の再評価」の解説は、「曹操」の解説の一部です。
「近・現代の再評価」を含む「曹操」の記事については、「曹操」の概要を参照ください。

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