堆肥
健康のことを考えて、あるいは環境保全の意味からも注目を集める有機栽培。化学肥料をできるだけ使わずに、有機質肥料を用いる方法。 日本に古くから伝わる農法です。有機質肥料、つまり堆肥づくりに牛の糞尿が利用されているというわけです。 堆肥には、家畜の糞尿を使わずに、ワラ、落葉、野草などだけで作るものもあります。これと区別するために、家畜の糞尿と敷ワラを腐熟させたものを堆厩肥(たいきゅうひ)と呼ぶことがあります。 さて、牛の糞尿を牛舎の地下貯蔵庫に落下、発酵させると、泥のような状態になります。こうしてできた肥料は液状厩肥(スラリー)と呼ばれています。 では、堆肥はどんなプロセスを経て作られるのでしょう。まず、牛床のおがくずや敷ワラなどが混ざった糞尿は、ベルトコンベアで堆肥舎へ運ばれたり、近くの草地の隅に積んで天日乾燥させます。 そこでもみがらを混ぜたり、切り返したり、空気を送り込んだりしながら発酵を促進させ、完熟するのを待ちます。 およそ、4、5ヶ月、牛の糞尿は有機質肥料に生まれ変わります。 堆肥の最も大きなメリットは、農業の基本である「土」を健康にすること。だから、堆肥を使った野菜は、育成も良く、おいしくなるというわけです。 酪農家が堆肥を周辺の農家に分ける。農家からは、堆肥づくりに必要な敷ワラを分けてもらう。 農村では、そんな循環が営まれています。そうして、私たちの食卓においしくて安全な野菜が並ぶ。 牛の糞尿も、めぐりめぐって、私たちの暮らしに役立ってくれているのですね。 |
<ミルククラブ情報誌'97 AUTUMN vol.25より> |
堆肥
堆肥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:05 UTC 版)
畑ではミミズが土地改良に役立っていることが知られるが、これをより積極的に利用する方法として、容器に残飯や枯れ草を入れ、ミミズをここに飼って堆肥を作る、ミミズ堆肥という方法がある。
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堆肥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/06 15:06 UTC 版)
「堆肥」および「堆肥化」も参照 ウシの糞および尿に、麦ワラやオガクズ、ウッドチップなど植物性副資材を混ぜ、発酵させる事によって堆肥が得られる。この際、十分な量の副資材を混ぜて水分の割合を60 - 70%程度まで下げるともに、積み上げた混合物の山を定期的に混ぜ返す事が重要になる。水分が過剰であったり混ぜ返しを行わないと、好気性微生物に十分な酸素が供給されず分解が進まない。このため堆肥化が阻害され悪臭も増加し、特に北海道の酪農地帯では乳牛の糞尿を十分に水分調整せずに堆肥化が不十分な例が見られる。 発酵が順調に進行すると、酸素供給が順調な条件下では1日も経たずに内部の温度が70°Cまで上昇し、混ぜ返すと湯気が立ち上る。発酵および熟成を十分に進めると黒色の堆肥が得られ、土壌に加える事で透水性や保水性、通気性、保肥力を改善する土壌改良の効果がある。家畜糞から得られる堆肥としては、鶏糞や豚糞由来のものと比べてリン酸や窒素などの肥料成分が少ない。なお牛糞堆肥の中でも、水分が50%以上のものは養分が偏りは小さいものの全体的に少なく、50%以下のものはカリウムが他の家畜糞堆肥と同程度に高いという特徴がそれぞれある。 牛糞堆肥は、施肥されて分解が進むと様々な有機酸を形成する。このため堆肥とともにリン酸を施肥すると、有機酸のキレート効果によって土壌コロイドへのリン酸固定が軽減されるため、植物への吸収量が高まる。また、塩基交換容量の非常に高い腐植となって土壌を改良する効果が期待でき、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの植物への吸収量を高める。
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堆肥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 02:29 UTC 版)
「ゾウの糞のリサイクル」の記事における「堆肥」の解説
糞の堆肥化は多くの動物園で行われる。 大阪市の大阪市天王寺動物園では、2004年から、有機たい肥「エレファント・ダン」(ぞうさんのうんち)を製造している。2002年から糞の堆肥化に取り組み、有機性廃棄物堆肥化装置(高速発酵処理機)を導入した。生産は、ゾウ 2 頭の 1 日分の糞 120キログラム、納豆菌や乳酸菌などを混ぜ、高温で1日発酵させ、乾燥させて堆肥化する。製造量は1日 20 - 30 キロ。入場者に配布される。 秋田県の大森山動物園では、2010年、同園から排出されるゾウの糞から作った“ゾウさん堆肥”の商品化を行った。当時の動物園の草食動物からは毎日700キログラムの排泄物がでて、うち 9割がゾウ2頭からの由来だったが、その糞尿の堆肥化を行い、牧草作りを行っていた。2009年からバクトマテリアル社と共同研究をし、カビ類の繁殖を抑制する納豆菌の一種・バクト菌を加えて発酵させる方法を用い、『ゾウさん堆肥』を開発した。また、バクト菌は雑草種子をも死滅させるといわれ、高品質の堆肥となっている。ゾウさん堆肥は、農家も用いるようになり、「ゾウさん米」という名で稲作が行われたりしている。 チェコのプラハ動物園では、アイスクリームの容器のようなものに入ったゾウの糞1キログラムが売られ、家庭菜園の肥料として購入されている。
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堆肥
「堆肥」の例文・使い方・用例・文例
- 生ごみは堆肥として利用される。
- (土地)に堆肥または肥料をまく
- 堆肥に変わる
- 有機堆積物を堆肥にしてください
- 花壇の堆肥を鋤で耕す
- 肥料、植物および堆肥になるために腐食している他の有機残留物
- 堆糞という堆肥
- 堆肥などが腐熟する
- (堆肥などを)踏んで入れる
- 汚泥コンポストという,汚泥を発酵させて作った堆肥
- 都市ごみコンポストという,一般のごみから作った堆肥
- その堆肥はさらさらで,強いにおいがしない。
- 昨年6月,動物園は月に1回堆肥を配り始めた。
- 現在では,動物園は1週間につき100袋の堆肥を用意している。
- この堆肥はまた,動物園の花壇や大阪の2つの植物園でも使用されている。
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