作用メカニズムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 作用メカニズムの意味・解説 

作用メカニズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 03:18 UTC 版)

ボツリヌストキシン」の記事における「作用メカニズム」の解説

ボツリヌストキシンは、分子量15タンパク質であり、細胞外に分泌された後に、自身プロテアーゼまたは動物消化管のトリプシンによって、分子量5万活性サブユニットAサブユニット軽鎖)と、約10万結合サブユニットBサブユニット重鎖)とに切断される。この両者ジスルフィド結合によって一分子ずつ結合したAB型毒素分類される細菌外毒素である。活性サブユニットが、毒素本体である亜鉛結合性金属プロテアーゼであり、結合サブユニット標的となる神経細胞表面特異的に存在する特定のタンパク質毒素受容体となる)との結合関与する体内取り込まれ毒素神経筋接合部到達すると、神経細胞側の細胞膜シナプス前膜)に存在する毒素受容体タンパク質と、毒素結合サブユニット結合する結合した毒素エンドサイトーシスによって、分泌小胞様の小胞内部取り込まれ神経細胞内でこの小胞内部酸性化すると、サブユニット切断されて、細胞質内に活性サブユニット遊離する神経細胞内部には、アセチルコリンなどの神経伝達物質内包する脂質二重膜覆われシナプス小胞存在する神経細胞興奮すると、このシナプス小胞シナプス側の細胞膜方に移動し細胞膜膜融合起こすことで、小胞内部神経伝達物質シナプス間隙放出される。この膜融合には、シナプス小胞表面のシナプトブレビン (VAMP/Synaptobrevin)、細胞膜側にある、シンタキシン (Syntaxin) およびSNAP-25という、SNAREタンパク質よばれる3つのタンパク質関与しており、この3つ会合することによって膜融合と、神経伝達物質放出が行われている。 細胞質遊離したボツリヌストキシン活性サブユニットは、この3つのSNAREタンパク質標的として特異的に切断し破壊してしまう。SNAREタンパク質いずれか破壊されると、シナプス小胞細胞膜膜融合が起こらなくなり神経伝達物質放出阻害され結果神経伝達遮断される。これがボツリヌストキシンの作用メカニズムである。ボツリヌストキシン標的とするタンパク質は、毒素種類によって異なっており、B,D,F,G型毒素はシナプトブレビンを、A,E型毒素SNAP-25を、C型毒素SNAP-25とシンタキシンを、それぞれ切断する。 この、神経細胞SNAREタンパク質標的切断するという機構は、同じクロストリジウム属である破傷風菌毒素テタノスパスミン)と共通の機構であるが、ボツリヌストキシン作用神経筋接合部限られるに対してテタノスパスミンはより上位神経到達して作用する。これは神経細胞内に取り込まれる際、受容体タンパク質違いによって、取り込まれる小胞種類に差があるからだと考えられている。それぞれの受容体タンパク質全容は明らかではないが、ボツリヌストキシンではシナプトタグミンと呼ばれるシナプス前膜シナプス小胞内部発現するタンパク質受容体になることが明らかになっており、小胞膜の脂質タンパク質を再回収するための小胞毒素取り込まれる考えられている。この小胞細胞内速やかにその内部の酸性化起こすため、ボツリヌストキシン最初に取り込まれ末梢部だけで作用する考えられている。これに対してテタノスパスミン取り込んだ小胞はすぐには酸性化されずに、軸索沿って逆行性輸送され神経細胞細胞体のある脊髄海馬到達して作用するまた、ボツリヌストキシン血液脳関門通過できないことも、作用末梢性限られる理由あげられる培養液中や汚染食品中では、ボツリヌストキシン毒素蛋白は1あるいは4種類無毒蛋白会合し複合体形成する。この複合体プロジェニター毒素あるいはボツリヌス毒素複合体と呼ぶ。ボツリヌス毒素中の毒素蛋白は、動物消化器官において分解されやすく不安定であるが、複合体形成することで、消化器官内での分解作用から保護されていると考えられている。

※この「作用メカニズム」の解説は、「ボツリヌストキシン」の解説の一部です。
「作用メカニズム」を含む「ボツリヌストキシン」の記事については、「ボツリヌストキシン」の概要を参照ください。


作用メカニズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/19 02:56 UTC 版)

ベロ毒素」の記事における「作用メカニズム」の解説

正常な細胞では、DNAから転写されmRNAは、リボソームにおいて読み取られアミノ酸結合したtRNAアミノアシルtRNA)の働きによって、mRNA配列に応じてアミノ酸の鎖が伸長していき、ペプチドからタンパク質翻訳されるEHECから分泌されベロ毒素は、5つBサブユニットによって、宿主細胞細胞膜にあるガングリオシド一つであるGb3(Gal-Gal-Glc-セラミド)に結合しエンドサイトーシスによって細胞内取り込まれた後、Aサブユニットだけが細胞質入り込むAサブユニットは、真核細胞リボソーム含まれる28SリボソームRNAのうち、4324番目のアデノシン作用して、その糖鎖切断しアデニン切り出す活性(N-グリコシダーゼ活性)を持つ。わずか1塩基変化であるが、28SリボソームRNAのこの領域リボソームにとって重要な領域であり、この1塩基変化で、新しアミノアシルtRNAリボソーム結合できなくなる。このためタンパク質伸長ができなくなってタンパク質合成阻害され最終的に細胞アポトーシス誘導され死滅する。 このベロ毒素作用は、ヒマ種子含まれる猛毒植物タンパク質として知られるリシンと共通するのである。リシンの活性サブユニットもまたN-グリコシダーゼ活性によって28SリボソームRNAの4324番目のアデニン切断によるタンパク質合成阻害を行うが、リシンの場合はA1B5からなるベロ毒素異なり1つ活性サブユニット鎖とジスルフィド結合した1つ結合サブユニット鎖から構成されており、細胞内輸送される過程ベロ毒素とは異なる。

※この「作用メカニズム」の解説は、「ベロ毒素」の解説の一部です。
「作用メカニズム」を含む「ベロ毒素」の記事については、「ベロ毒素」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「作用メカニズム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「作用メカニズム」の関連用語

作用メカニズムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



作用メカニズムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのボツリヌストキシン (改訂履歴)、ベロ毒素 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS