作用増強
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 03:20 UTC 版)
ジピリダモール、アセチルサリチル酸、クロピドグレルの3剤併用を行った際に、出血の副作用が増加したように、例えばシロスタゾールやクロピドグレルなど他の抗血小板薬や、また例えばアルガトロバンやリバーロキサバンなど血小板以外の血液凝固系を阻害する抗凝固薬や、そして例えばイコサペンタエン酸エチル(英語版)やCOX阻害薬など副作用として抗凝固作用も有した薬を併用した場合には、出血傾向が出る恐れが高まる。 さらに、特にジピリダモールの投与初期において、動脈が拡張した結果、全身の血圧が低下する場合が出易いので、例えばアムロジピンやジルチアゼムなどの血圧降下薬や、また例えばトリクロルメチアジドやトリアムテレンなどの血圧降下作用も有する他の薬と併用すると、血圧が過度に低下する恐れが高まる。 なお、ジピリダモールはホスホジエステラーゼを非選択的に阻害するため、cAMPだけでなく、cGMPの分解も阻害する。したがって、ニコランジル、硝酸イソソルビド、ニトログリセリンなどの作用を、ジピリダモールは増強させ、過度の血圧低下が発生する可能性がある。 これらとは別に、ATPを投与した場合、その分解産物のアデノシンの血中濃度も増加し得るため、ジピリダモールとATPを併用すると、ジピリダモールがアデノシンの細胞への取り込みを妨害するため、アデノシンの血中濃度が異常に上昇して、アデノシンによる血管拡張作用が増強し、結果として血圧が低下する可能性もある。無論、細胞から放出されたアデノシンによる、その他の作用や影響も、同様の理由でジピリダモールによって増強し得る。
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