お召し列車運用とは? わかりやすく解説

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お召し列車運用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 14:13 UTC 版)

名古屋鉄道トク3号電車」の記事における「お召し列車運用」の解説

トク3に先立って導入され貴賓トク1・トク2は、皇族御乗用車両のほか、浅野氏中興の祖である浅野長政の旧邸跡(後に浅野公園として整備)の最寄り駅一宮線浅野駅であったため、元広島藩藩主華族浅野長勲同所訪問する際に運用された。長勲の旧浅野訪問複数回にわたり、またその際には鉄道省名古屋鉄道局長内務省警保局長など中央政界通じ要人陪乗したことによって、貴賓輸送実績加えて郡部線主要路線区である一宮線犬山線存在中央政界知らしめたことが、後のお召し列車の運行繋がったものとされるトク3の導入から約半年経過した1927年昭和2年9月末、旧・名古屋鉄道に対してお召し列車運行要請通知下された。これは陸軍特別大演習名古屋地区において同年11月開催されることが決定し、その視察のため昭和天皇名古屋訪れにあたり名古屋から犬山地区への行幸に際して旧・名古屋鉄道押切町 - 犬山間を利用することとなったのである今上天皇が行に際して国有鉄道ではなく地方私鉄利用するのは史上初のことであり、現・名古屋鉄道名鉄発行社史名古屋鉄道社史』はこのお召し列車運行を「破格栄光浴した」 と自評している。 このお召し列車運行先立って旧・名古屋鉄道トク3を御料車充当すべく、各部改造実施した車内外の徹底した重整備のほか、甲室側の座席配置変更してソファーの1席を玉座充て玉座前に設け、その他陪乗者用にソファーを3席存置した。これらは固定配置とせず、往路復路とも玉座向き進行方向同一とするよう定められた。また運行に際してトク3を中間付随車扱いとし、当時最新型一般用車両であったデセホ700形2両を動力車として前後連結し3両編成運行するため、トク3の連結器従来連環連結器からデセホ700形同一シャロン並形自動連結器交換した。なお、動力車となるデセホ700形2両は同年10月落成最新型車両デセホ706・デセホ707充当されることとなり、同2両についてはトク3と連結する側の妻面窓を磨りガラス交換し妻面窓枠固定仕様とするよう指定された。 特別整備地上設備にも及び、軌条架線保安装置などの徹底した点検実施されたほか、お召し列車の運行区間である押切町 - 犬山間の全ての枕木新品交換した。また復路乗車駅となる犬山橋駅(現・犬山遊園駅)については、一行円滑な通行目的として駅構内踏切一時的に撤去し盛り土行って段差除去した担当乗務員技量優れた者の中から身体検査および思想調査経て運転士加藤鎌太郎以下5名の乗務員選出された。お召し列車への乗務は社の名誉を一身背負った業務であり重圧大きく加藤失敗があれば切腹する覚悟であることを周囲伝えていたとされるお召し列車の運行ダイヤは、往路押切町10:55発・犬山11:40着、復路犬山橋15:50発・押切町16:35着と決定1927年昭和2年11月2日常務取締役跡田直一以下旧・名古屋鉄道幹部社員数名添乗し本番同一運行ダイヤにて試運転実施された。当時旧・名古屋鉄道2両編成上の定期列車の運行実績がなく、またトク3の制動装置は本来連結転に適さないSM-3直通ブレーキ仕様であったことから、特に制動装置動作念入りに確認された。地元紙「新愛知」は、この試運転を翌11月3日付の紙面にて取り上げ、「成績は非常に良好であった」 と報じた1927年昭和2年11月20日お召し列車運行当日は、全行程にて取締役社長の上遠野富之助が先導務め役員以下全ての本社勤務従業員動員され沿線警備などにあたった一行犬山駅にて下車後、犬山城立ち寄った後に犬山ホテルにて昼餐会開き犬山城周辺から木曽川畔を散策したのち犬山橋駅より帰路に就き、全行程は無事終了した後日昭和天皇より加藤以下5名の乗務員に対して銀盃下賜されたほか、旧・名古屋鉄道全社に対して国旗掲揚したお召し列車車両彫り込まれ記念メダル配布された。

※この「お召し列車運用」の解説は、「名古屋鉄道トク3号電車」の解説の一部です。
「お召し列車運用」を含む「名古屋鉄道トク3号電車」の記事については、「名古屋鉄道トク3号電車」の概要を参照ください。

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