並形自動連結器とは? わかりやすく解説

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連結器

(並形自動連結器 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 09:08 UTC 版)

連結器(れんけつき、Coupler)は、鉄道において鉄道車両同士を結合し、牽引時の張力および推進運転時の圧縮力を伝達する装置である。


  1. ^ この問題は勾配区間で顕著になり、400t程度の編成でも25(1000分の25)の勾配に差し掛かると勾配抵抗だけで10tに達するため、補機を後につけなければ連結器破損の危険があった。
  2. ^ 日本以外の狭軌鉄道ではオーストラリアのクイーンズランドが2本バッファー方式を採用している。
  3. ^ 客車に連結する貨物列車に限り特例を認めるという趣旨がこの後にあるが省略。
  4. ^ 連結器にたるみがあると発車時に機関車が動き出した瞬間、連結器がいきなり緊張して、まだ停車している牽引車両の全重量が、機関車の連結器に一気にかかるため、連結器の構造上破損の危険性が高いことと、牽引される車両がわの連結器に次々牽引力がかかるので衝撃が起きるため。ただし、旧式貨物・入替機などはこの調節がそもそもできないリンク式連結器を蒸気機関車末期の頃まで使用しつづけているものもあった。[12]
  5. ^ 森林鉄道・産業鉄道用小型機関車では、一般に連結器本体を取り外しても台枠に落とし込みピンとリンクに対応したスリットがあるため連結可能であるが、この場合は急曲線通過を容易にするために首振り可能なこの連結器を併用している。
  6. ^ なお「技術随筆 汽車の今昔14『17.連結器』」((朝倉1980-4)p.98)では「1893年に法律を持って全部の連結器を自動連結器に変えることが制定され、1900年までに実施された。」と微妙に年代が違う話が乗っている。
  7. ^ 採用路線の来歴(鞆軽便鉄道の発起人のなかに雨宮亘がいた)などから大日本軌道の関与の可能性が指摘されている[15]
  8. ^ 他には熱海鉄道や信達軌道の蒸気機関車、堀之内軌道運輸など。
  9. ^ 特に日本で「朝顔形」と呼ばれるものに最も近い形状のピンリンク式は、英語名を”Johnston coupler”という
  10. ^ 阪急電鉄の一部や、高松琴平電気鉄道デカ1形のものが見られる
  11. ^ 柴田式自動連結器相互の場合。
  12. ^ 国鉄ではこのクラスを要する客車の車体側緩衝装置が未対応であったため、採用は派生型である後述の小型密着自動連結器が、気動車向けおよび私鉄電車向けに先行した。
  13. ^ 同時に開発されたNCB-I形は上述の並形規格の密着自動連結器。
  14. ^ 1931年11月17日出願、1933年1月19日実用新案公告。実用新案としての登録名は「自働連結器」。江若鉄道キニ9形で採用され、以後、加悦鉄道池田鉄道淡路鉄道、中国鉄道(津山線吉備線の前身)の気動車に採用例がある。[36]
  15. ^ 開発者が兄弟同士というだけで並形自動連結器の「柴田式」とは機構的に無関係
  16. ^ そのため、Osaka Metro中央線と相互直通する近鉄けいはんな線の車両には先頭部と3両目・4両目の間にOsaka Metro仕様の密着連結器を装備しており、五位堂検修車庫へ回送する際に使用するモト77・78はOsaka Metro仕様の密着連結器と、近鉄で一般的な柴田式密着連結器の両方を装備する。(通常は柴田式密着連結器が外に出るように連結されており、識別のためOsaka Metro仕様の密着連結器を装備する側には青帯を入れている)
  17. ^ 例として、キハ281系キハ100系・キハ110系キハ75系キハ187系キハ121系・キハ126系キハ122系・キハ127系1200形1500形2000系キハ200系キハ72系E26系の中間部などに採用された。また、キハ201系731系との協調運転による併結前提で製作されたため、必然的に密着連結器を採用している。
  18. ^ 銚子電鉄1000形電車は、回送時に他系列の電車や機関車と連結するほか、自動連結器を装備したトロッコ客車ユ101澪つくし号を牽引・営業運転を行う際にも中間連結器を装着する。
  19. ^ かつて終戦直後63系電車を導入した時点では、2代目浅草駅の急カーブで連結器の密着面がねじれるようにずれて空気の漏れを招き、ブレーキが掛かってしまうことから、空気管を別に使う自動連結器・密着自動連結器へ交換せざるを得なかった。[42]
  20. ^ これは、東北新幹線八戸延伸移行は並行在来線の第3セクター移管により東北本線八戸 - 青森間が青い森鉄道IGRいわて銀河鉄道となり、同区間を通過する場合に線路使用料が発生するためである。
  21. ^ この2両は、いずれも車籍のない機械動車扱い。
  22. ^ ばねの端にある3個のくさび形摩擦子が押し込まれた際に擦れ合う丙種引張摩擦装置、内輪と外輪の輪ばねが力がかかると外輪ばねの直径が拡大し、内輪ばねの直径が収縮して擦れるように配置する輪ばね式緩衝装置(30t甲(小型)・30t乙・50t)などがある[52]
  23. ^ ほぼ瞬時にねじ式連結器を引っ掛ける手順が決められていたため、強度引き上げ(=金具の大型化)がほぼ不可能である。
  24. ^ そのため路線毎に連結器の方向が決められていた。[56]
  25. ^ ヨーロッパでは上の写真の通り片方のねじ式連結器で済ませているため、このような問題とは無縁である。ねじ式連結器の連結・解放のしくみの写真参照。
  26. ^ なお、本州と九州で交換日が分かれているのは、朝倉によると深い意味はなく単純に「作業人員の不足」だという。[58]
  27. ^ 北海道の自連への変更は以下の通り。
    まず1880年(明治13年)に幌内鉄道(後に払い下げられ後述の「北海道炭礦鉄道」になる)が建設されるが、この時はミラー式連結器(ピン・リンク式の一種)が採用された。その後北海道官設鉄道がねじ式連結器で開業したため、北海道炭礦鉄道と北海道官設鉄道でお互いの車両が直通できない問題が生じ、1899年(明治32年)に両方ジェニー式自動連結器を採用した。
    ただし、北海道炭礦鉄道の車両は車輪が小さく、元々使用していたミラー式連結器の位置も低いため自連もそれに合わせて低い位置になった。[13]
  28. ^ 当時の青函連絡船では、貨車搭載可能な車両渡船「翔鳳丸型」の建造・導入が連結器交換に先行して進められており、翔鳳丸型連絡船は1924年中に計画された4隻すべてが就航した。また車載用可動橋を備えた新たな桟橋も1925年の連結器交換に相前後して完成した。
  29. ^ 宮崎交通線1949年からの国鉄車両直通まで使用し、淡路鉄道は電車化(1948年)以降も貨物列車はそのまま、静岡鉄道秋葉線は廃線(1962年)まで、貝島大之浦砿専用線では線内専用車についてはねじ式を閉山(1976年)まで使用した。また、静岡鉄道デワ1形はいつまで車両そのものが使用されていたのか不明(車検は昭和55年12月に切れている)だが、現在も無蓋貨車ト1形と共にリンク式連結器を装備(ト1は片側のみリンク式)したまま保存されている。[66]
  30. ^ 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年 路面電車・中私鉄編』P137の写真より1974年時点でねじ式連結器であることが確認できる。
  31. ^ この事情から、他地域から紀勢中線に搬入された車両についても、自動連結器からねじ式連結器への変更が実施された。
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  3. ^ a b c (国鉄1958下)p.1808「連結装置」
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  7. ^ 斉藤晃『狭軌の王国』「その2 バッファーの形」p.22
  8. ^ (笹田2006)p.136-137
  9. ^ (高畠2005) 扉絵p.4・本文p.132
  10. ^ a b c 青木栄一「わが国の鉄道における初期の客車の変遷について」『都留文科大学研究紀要』第3集、1966年、20-64頁
  11. ^ 「鉄道建設規程集 緩衝器及連結器」1912年(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ (高畠2005) p.144-145
  13. ^ a b (近藤2007) p.82
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