あわ‐もり【泡盛】
泡盛(あわもり)
泡盛(あわもり)
沖縄県特産の焼酎。泡盛は酒税法上、焼酎乙類に分類されているが、昭和五八年三月、製品への酒類の種類表示を義務づける「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の施行規則が改正され、従来「本格焼酎」として表示されていたものが「本場泡盛」と製品に表示できるようになった。この規則でいう泡盛とは、「米こうじ(黒麹菌を用いたものに限る)及び水を原料として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの」である。泡盛製造の起源は『李朝実録』の朝鮮船員の漂流記や、冊封使陳侃(さっぽうしちんかん)の『使琉球録』の記録などから14~15世紀と推定されているが、その詳細は明らかでない。泡盛の名称については、15世紀後期につくられた古い民謡や、万治三(1660)年、島津家から将軍への献上品に古い記録がみられる。またその語源については、1.薩摩起源説、2.原料起源説、3.梵語(ぼんご)起源説、4.泡由来説などがある。酒を貯蔵熟成することも古くから行われていたとみられ、『李朝実録』1462年の条に「一・二・三年の酒庫」とあり、また、18世紀初めの首里王府の銭御蔵の任務職掌に「焼酎・同古酒」などが見える。明治以前、王朝時代は王府の命を受けた焼酎職により、首里三箇の地に限り御用酒の製造と営業が許された。明治七、八年ころ出願許可制となったが、製造の本場はやはり首里で第二次大戦前まで県下全製造場数の約3分の2が集中していた。戦後、泡盛製造は官営で再開され、昭和二一年、首里、松川、伊芸、羽地の4か所に官直営の酒造場が設置された。二四年、民営に移管され約一五〇戸が酒造免許を受けたが、37年105場、60年47場となっている。泡盛の製造に使われる原料米はインド種のタイ砕米で、これを蒸して黒麹菌(くろこうじきん)でつくった泡盛種麹を加え、約40時間ねかせて麹をつくる。原料のコメを全部麹とすることが特徴で、これに原料米の160~180%相当の水と酵母菌を加え、10~14日間発酵させた後、蒸留する。熟成醪(もろみ)のアルコール分は約18%、これを単式蒸留機で蒸留すると、アルコール分43%前後の泡盛ができる。これを三年以上熟成したものが古酒(クース)として出荷される。昭和四〇年代まで行われた存来式醸造法では、原料処理にシー汁操作があり、また、製麹(せいきく)、醪期間が長いなど異なる点もあるが、原理的にはほとんど現在と同じである。泡盛製造法の特徴を要約すると、1.黒麹菌を使用していること、2.全麹仕込みであること、3.熟成により酒質の醇化向上をはかること、などがあげられる。
泡盛
隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ。
- あわもりのページへのリンク