単式蒸留機とは? わかりやすく解説

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単式蒸留機(たんしきじょうりゅうき)

蒸留たびごと新たに発酵醪(もろみ)など蒸留しようとする溶液入れ蒸留終了した蒸留残液を排出する方式蒸留機。これに対して発酵醪を連続的に供給し生じ蒸留残液も連続的に取り除く方式蒸留機連続式蒸留機という。単式蒸留機の構造はいずれもごく簡単なため、目的成分酒類場合アルコール)の精製度合低く反面発酵によって形成され複雑な風品成分多く製品回収することができる利点持っているこのような性能生かして酒類では、本格焼酎初め、ウイスキー・ブランデー・ラム・ジンなどをつくるのに用いられ西洋ではこの種の蒸留機ポットスチル呼んでいる。世界四大河川文明の発祥地一つである、メソポタミア現在のイラク周辺)では紀元前3000年ころすでにこの種の蒸留機原型存在していたといわれ、それがアラビアなど西方国々伝播(でんぱ)して錬金術れんきんじゅつ)を発展させた。この当時蒸留機アランビック呼ばれる銅製ガラス製のもので、直火蒸留する形式をとっており、現在でもブランデーなどに使われている。アランビック東洋わたって、その素材陶土木・竹といった、いかにも東洋的材料変化したまた、清酒粕(かす)のような固形状の醪を蒸留するのに用いられる蒸篭(せいろ)式の蒸留機のように、直接加熱しないで下からの蒸気をあてて蒸留するという、固形分の多い東洋的発酵液を焦げかせないような工夫や、上部冷水入れてアルコール分含んだ蒸気冷却する方式など、様々な改良加えられた。しかし、わが国古式焼酎蒸留機が「らんびき」と呼ばれたように、元祖アランビック」の流れをくんでいることに間違いはなく、その面影とどめている。なお、わが国酒税法では本格焼酎は必ず単式蒸留機を用いなければならない

単式蒸留器

(単式蒸留機 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 01:40 UTC 版)

単式蒸留器(たんしきじょうりゅうき:ポットスチル: Pot still)は、蒸留するたびにアルコール発酵した酒のもろみなどの蒸留を行う溶液を入れ、エタノールの蒸留が終了したあとに、溶液を排出する方式の蒸留器である。日本の酒税法では連続式蒸留機以外の蒸留機単式蒸留機と表記されている[1]


  1. ^ 酒税法3条 その他の用語の定義 焼酎の定義 11 (4) 国税庁
  2. ^ 玉村豊男 編『焼酎東回り西回り』紀伊國屋書店、1999年、ISBN 4877380671、p.232-233
  3. ^ 酒税法3条 その他の用語の定義 10「連続式蒸留機」の定義 国税庁
  4. ^ 単式蒸留機の構造 単式蒸留焼酎の研究室
  5. ^ 「単式蒸留機」という用語の歴史的な経緯 単式蒸留焼酎の研究室
  6. ^ 橋谷元由, 「蒸留のしくみ」『化学と教育』 2018年 66巻 6号 p.300-301, 日本化学会, doi:10.20665/kakyoshi.66.6_300, NAID 130007657458
  7. ^ 「単式蒸留機」と化学工学における「単蒸留」の相違 単式蒸留焼酎の研究室
  8. ^ Kumari Dhiman, Anju & Attri, Surekha. (2011). Production of Brandy.


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