焼酎・泡盛用語集 |
単式蒸留機(たんしきじょうりゅうき)
蒸留のたびごとに新たに発酵醪(もろみ)など蒸留しようとする溶液を入れ、蒸留が終了したら蒸留残液を排出する方式の蒸留機。これに対して、発酵醪を連続的に供給し、生じる蒸留残液も連続的に取り除く方式の蒸留機を連続式蒸留機という。単式蒸留機の構造はいずれもごく簡単なため、目的成分(酒類の場合はアルコール)の精製度合が低く、反面、発酵によって形成された複雑な風品成分の多くを製品に回収することができる利点を持っている。このような性能を生かして酒類では、本格焼酎を初め、ウイスキー・ブランデー・ラム・ジンなどをつくるのに用いられ、西洋ではこの種の蒸留機をポットスチルと呼んでいる。世界の四大河川文明の発祥地の一つである、メソポタミア(現在のイラク周辺)では紀元前3000年ころすでにこの種の蒸留機の原型が存在していたといわれ、それがアラビアなど西方の国々に伝播(でんぱ)して錬金術(れんきんじゅつ)を発展させた。この当時の蒸留機はアランビックと呼ばれる銅製やガラス製のもので、直火で蒸留する形式をとっており、現在でもブランデーなどに使われている。アランビックは東洋にわたって、その素材が陶土・木・竹といった、いかにも東洋的な材料に変化した。また、清酒粕(かす)のような固形状の醪を蒸留するのに用いられる蒸篭(せいろ)式の蒸留機のように、直接加熱しないで下からの蒸気をあてて蒸留するという、固形分の多い東洋的な発酵液を焦げつかせないような工夫や、上部に冷水を入れてアルコール分を含んだ蒸気を冷却する方式など、様々な改良が加えられた。しかし、わが国の古式の焼酎蒸留機が「らんびき」と呼ばれたように、元祖「アランビック」の流れをくんでいることに間違いはなく、その面影をとどめている。なお、わが国の酒税法では本格焼酎は必ず単式蒸留機を用いなければならない。
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